2008年05月11日

汚職が食料配給を食い荒らしている

サダム・フセイン政権時代が「古き良き時代」と言われる理由。米軍が破壊したくさんの市民を虐殺したファルージャからの報道。
汚職が食料配給を食い荒らしている
2008年5月9日
アリ・アル=ファディリ&ダール・ジャマイル
IPS
ZNet原文

ファルージャ発5月2日(IPS) 失業と貧困化に加えて、イラクの人々は今や、月々の食料配給削減に直面している。配球の多くが、官僚の汚職で食い荒らされてしまったためである。

イラクの人々は、第一次湾岸戦争(1990年)後の経済制裁を、公共配給体制(PDS)を通した配給によって生き延びてきた。この支援は、1995年、国連の「食料のための石油」プログラムの一環として設置された。

それにもかかわらず、経済制裁は人々に破壊的な影響を与えた。国連のイラク・プログラム元代表ハンス・フォン・スポネックは2001年、イラクへの経済制裁は「平均的なイラク市民の首の回りに縄をつけて締め上げるもの」だと述べた。フォン・スポネックによると、経済制裁により1日150人の子供たちがイラクで死んでいった。

国連の元イラク人道問題調整官で、経済制裁に抗議して辞任したデニス・ハリデーは、IPSに、経済制裁はイラクの人々にとって「ジェノサイド」だったと述べた。

現在、米軍が5年以上イラクを占領している中で、状況はさらに悪化している。食料配給システムは、管理の悪化と汚職によって崩壊の危機にある。

今年初めから現在までに、配給された品目は10品目から5品目に減った。

「2003年に米軍がイラクを占領し始める前、私たちはPDSをサダム・フセイン政権への対抗プロパガンダとして使っていました」とヌーリ・アル=マリキ首相率いるダーワ党のファディル・ジャワッドはバグダードでIPSに語った。「けれども、占領下で、私たちは、イラクの人々に必需支援を提供するためにPDSが必要だと理解したのです。サダム時代に私たちは、サダムが動物に餌をやるようにイラクの人々に貧相な食料配給をしていると非難したのですが、今、私たちはそれさえ提供できません」。

「アメリカ人がイラクを占領しに来たとき、彼らは私たちによりよい生活を約束しました」と女子校の先生を勤めるイナム・マジードはファルージャでIPSに語った。「アメリカ人たちは、息子や夫を殺した後、今や飢餓によって私たちを殺そうとしています。以前は生き延びるために十分な食料配給があったのですが、今やほとんどありませんし、市場価格は信じられないほど高くなっています。イラク人の8割にとって、前政権の食料配給で得ていたと同じ品物を買うのは不可能になっています」。

イナムの夫は、2004年4月、米軍が彼女の住む町ファルージャを包囲攻撃した際、空襲により殺されたため、イナムは4人の子供を一人で育てなければならなかった。

2006年5月に世界食料計画(WFP)が発表した報告によると、400万人を越えるイラク人が「食料不足の状態にあり、様々な人道支援を緊急に必要としている」。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が2007年4月に発表したところによると、十分な食料を安定して買うことができない400万人のイラク人のうち、PDSの配給を得ているのは60%に過ぎないという。状況は、今日、さらに悪化している。

前政権の商務省はPDSでかなりの量の食料を配給しており、国連の経済制裁が始まって食料の質は低下した。前政権の予想よりも経済制裁が長引いたため、配給了は減った。けれども、1996年に国連とイラクが覚書を交わしたあとは、食料の質と量はずいぶん改善された。

ファルージャに住む45歳の弁護士で8人の子供を抱えるアブ・アイメンはIPSに次のように言う。「サダム政権下で経済制裁を受けていた日々のことをイラク人が『古き良き時代』と呼ぶのを非難しないでください。実際、米軍占領下で今我々が生きているこの暗黒時代と比べると、断然、当時のほうがよかったのですから」。「サダム政権下の生活は苦しかったので、イラクの人々は皆、不平を言っていました。でも、今や、サダムの銅像と一緒に、当時はあったよいこと----小さなことだったかもしれないが----もすべて剥奪されてしまったのです」。

「以前は、小麦粉や米、食用油、お茶と砂糖といった基本食料品の他に、大人と子供にチーズや粉ミルクが手に入りました。髭剃りペースト、カミソリ、トマトペースト、子供の食べ物、豆、石鹸、洗剤が手に入りました。鶏肉さえ手に入ったのです。今私たちが手にするものといえば、銃弾とミサイル、汚染された食品と汚染された薬です」とアイメンは続ける。

ファルージャのPDS配給担当ハジ・チアドはIPSに、自分は今や病気も配給してしまっていると語る。

「これまでは食料を配給していましたが、今や一緒に毒も配給しています」と彼は言う。「この4年間に、商務省が私たちに提供した食べ物が腐っていたり本当に毒が混ざっているということが何度もありました。ひどい場所に長い間置かれていた袋から米や砂糖を配給しなくてはならず、また、トマトペーストは、私たちの手元に来たとき、賞味期限をすでにはるかに過ぎていました」。

イラク議会の反汚職委員会は、「商務省の膨大な汚職」をめぐって商務相アブドゥル・ファラー・アル=スダニーに包括的な喚問を求めている。けれども、汚職に対するそれ以外の苦情申し立てと同じく、マリキは何の手立てもとっていない。

アリはバグダードのIPS特派員で、米国在住のイラク専門ジャーナリストでイラク・中東の報道を行うダール・ジャマイルと協力している。

投稿者:益岡


posted by 益岡 at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ファルージャの状況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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