2008年04月13日

イラクの軍事的未来をめぐる米国の秘密計画

イラク傀儡政府と米国とのあいだの「軍事地位協定」について。
イラクの軍事的未来をめぐる米国の秘密計画
文書は軍事力を描き出しているが米軍駐留に時限を設けていない
スーマス・ミルン
2008年4月9日
ZNet原文

ガーディアン紙が入手した、イラクにおける米軍の将来に関する機密扱いの協定草案によると、イラクに米軍が駐留する時限についてはオープンになっている。

米国とイラク政府のあいだで交わされた戦略枠組協定草案----3月7日付けで、「機密」「注意」とされている----は、現在の国連のマンデートのかわりとなるよう意図されたもので、米国に、時限を限らず「イラクで軍事作戦を行い、治安上の必然的理由があれば個人を拘留する」権限を与えるものである。

この権限付与は「一時的」なものと記述され、また、協定の中で、米国は「イラクに恒久的な基地の設置や恒久的な米軍駐留を望むものではない」とされている。しかしながら、米軍、および英軍などの同盟軍のイラク国内での活動について、時限も制約も書かれていないことから、この協定はイラクおよび米国で強い反対にあうことが予想される。

イラク人たちは、この協定には、米軍兵士数の制限も、利用してよい兵器の制限も、法的地位も、イラク人市民に対する米軍の権限も含まれておらず、ほかの国々と米国が結んでいる長期的治安協定よりもはるかにむちゃくちゃなものであると述べる。協定は、本来、米軍と多国籍軍兵士の地位を統制するためのものである。

イラク政府軍とムクタダ・アル=サドルのマフディ軍が最近バスラで衝突したあと、また、秋の地方選挙でイラク政府がアル=サドル支持者の参加を禁止すると脅したあと、占領に反対するサドル派とスンニ派諸政党は、議会で協定に強く反対することが予想される。一方、米国は協定を7月末までに実現したがっている。国連マンデートは今年末で終わる。

ある、しかるべきイラクスンニ派の政治筋は昨日、「バグダードでは、この協定は今のままのかたちでは却下されるだろうと思われている。とりわけ、ここ数週間の出来事を考えるならば。政府は現在のままで満足しているが、議会は別である」。

協定草案はまた、米国政府内でも議論の対象になる可能性が高い。民主党の大統領候補ヒラリー・クリントンはこの草案を批判し、米軍がイラクを守ることを確約することで次期大統領の手を縛ろうとするものであると現政権を批判する。

ロバート・ゲーツ米国防長官は、2月、計画されている協定は、米国が世界中で結んでいる「米軍地位」協定と同様のもので、米軍がイラクを防衛する責任を負うものではないと述べる。しかしながら、軍事サービス委員会の上級メンバーであるエドワード・ケネディ上院議員をはじめとする民主党の議員たちは、イラクとの協定案はほかの協定とは大きく事なり、条約に相当するので、憲法にしたがって上院の批准が必要であると述べた。

米国政府高官たちは、協定がイラクでの治安保証を含むならば、議会の同意を得る必要があることを認めた。けれども、リークされた草案は、「イラクが主権と領土の統一、政治的独立を維持し、イラクへの外的な脅威を封じ込めることは、合州国とイラク双方の利益である。それに従って、米国とイラクは、イラクの領土の統一と政治的独立が脅威にさらされたときすぐさま協議する」と述べるに留まる。

米国とイランの緊張、そしてイランがイラク政権内のシーア派諸政党と近いことを考えたときに重要な点として、協定草案は、「米国はイラク領土を、ほかの国々への攻撃作戦の踏み台に用いることはしない」としている。

イラク駐留米軍司令官デヴィッド・ペトラウス将軍は、本日(4月8日)、キャピトル・ヒルで、兵士増派作戦----昨年イラク駐留米軍兵士数を約3万人増やした作戦----について上院に報告する際、大統領候補3人から質問を受けることになる。

クリントンと民主党内のライバルであるバラク・オバマはともにイラクからの兵士撤退開始を約束している。共和党上院議員のジョン・マッケインはイラクが安全になるまで兵士規模を維持すると公約した。

スーマス・ミルンはガーディアンのコラムニストで編集者。ガーディアンの中東、東欧、ロシア、ラテンアメリカ特派員としても活動してきた。本記事はガーディアン紙2008年4月8日に掲載された。

ガーディアンは英国の新聞。イラク侵略の際には侵略を擁護する立場を採り、その後、日和見的に批判し出した新聞です。

イラクを不法に侵略し、何十万人もの人々を殺し、子どもたちを栄養失調に追いやり、放射性兵器を使ってガンに追いやり、インフラを破壊し、数百万人の人々を家から追い出し、不当に勾留した人々を拷問し強姦し続ける米軍をめぐって、米国の政治家が「米軍にイラクを守る義務を課す」などと語っているトーン、米国の政治家・主流メディアの議論がほとんどすべて、「我々はイラクを守るためにイラクにいる」という前提を共有している様は、異様なものです。500年にわたる植民地主義はまったく解決していない感じで、スターリンも墓の下で羨んでいるかもしれません。

投稿者:益岡


posted by 益岡 at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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