2008年04月06日

イラクの子どもたちを殺すことは「やるに値する」か?

イラク侵略と占領をめぐる、とても単純な真実。

サダムはもう捉えたのではなかったろうか?
イラクの子どもたちを殺すことは「やるに値する」か?
ジェイコブ・G・ホーンバーガー
2008年4月4日

米国がイラク侵略を開始したシーンのスナップ・ショットは、その作戦全体が、最初からいつ終わるかわからないが最後まで、不道徳でおぞましいものであることをはっきりと示している。

昨日(4月3日)のニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事によると、侵略がはじまってすぐ、米軍はサダム・フセインが隠れている宮廷地区に爆弾を投下した。

記事は次のように書いている。

けれども、イラクの独裁者を殺すかわりに、カルビット氏の兄であるマリク・アル=カルビットを殺した。フセインを転覆させるためにCIAと交渉したまさにその人物だった。爆弾はさらに21人の人を殺した。殺された中には子どもたちもいた。これが引き起こした怒りが、イラク西部でゲリラの抵抗が始まるきっかけの一つだったと人々は考えている。


このエピソードには、少なくとも二つ、大切な教訓が含まれている。

第一に、侵略が始まる前、米国政府関係者、そして多くのアメリカ人が広く唱えていた呪文は、「サダムを捉える」必要がある、というものだった。けれども、我々の組織「自由の未来財団」の中でしばしば指摘されていることだが、「サダムを捉える」ことだけが問題では決してなかった。米軍が「サダムを捉える」までにどれだけ多くのイラクの人々と子どもを殺すことになるかも問題だった。

ニューヨーク・タイムズ紙の記事は、爆撃した敷地に、子どもを含む罪のない人々がいたことを米軍が知っていたかどうかについては語っていない。けれども、知っていたことはほぼ確実である。結局のところ、サダムがそこに隠れていることがわかるほど情報活動が優れているならば、子どもを含む他の人々がそこに暮らしていることを知ることができるほど情報活動は良好だったことになる。

したがって、米軍が爆撃を行ったとき、それによって子どもを含む罪のない人々を殺すことは十分知っていたに違いない。また、たとえ爆弾を投下したときにはその敷地に罪のない人がいたと「知ら」なかったにしても、罪のない人々がいるかどうかについては平然と無視して気にかけることなく爆弾を投下していたことは知っていたはずである。

実際、米国の高官たちは、敷地に子どもたちを含む罪のない人々がいるかどうかなど気にしていなかった。サダムを戦争直後に殺すことができるならば、それらの子どもたちの命も親の命も、大したことではないと考えていたのである。

もちろん、この態度は、米国政府関係者が、1991年から2003年までイラクに課し続けた残忍な経済制裁期を通して示していた態度と共通している。経済制裁のせいで毎年毎年数万人の子どもたちが死んでいく中、米国は、サダム・フセインをイラクから取り除くために、そうした子どもたちの死など物の数にもはいらないという態度を示していた。だからこそ、米国大使マドレーヌ・オルブライトが、経済制裁で50万人のイラク人を死に追いやったことにはその価値があったかどうか聞かれたとき、「価値があった」と答えたのである。彼女はそのとき、米国政府の心情を表明していた。米国政府のその心情は、宮殿敷地への爆撃によりイラクの子どもたちとその家族を殺したとき、ふたたび露わになった。

第二の教訓は、子どもたちとその家族を殺すことは、アメリカ合州国に対する怒りと憎悪を引き起こす米国の外交政策の一例であるという点である。それによってテロの報復を受ける恐れが出て、米国はそこで「対テロ戦争」を叫び、さらに介入を重ね、さらなる軍事支出を重ねて、国内での自由をますます制限する。

ニューヨーク・タイムズ紙の記事をもう一度くり返そう:「爆弾はさらに21人の人を殺した。殺された中には子どもたちもいた。これが引き起こした怒りが、イラク西部でゲリラの抵抗が始まるきっかけの一つだったと人々は考えている」。

ここで自問してみよう:米国政府は、どうしてこの5年間、イラクを占領してきたのだろうか? 既にサダムは「捉えた」のではなかったか? サダムはすでに処刑されなかっただろうか?

それに対する答えは、米国政府は、サダムを「捉えた」ので、今やイラクの「悪党ども」を捉えなくてはならないというものである。ではその「悪党ども」とは誰のことか? 「サダムを捉える」過程でイラクの人々が殺されたことに、女性や子どもが殺されたことに怒りを感じているイラクの人々である。

「悪党ども」への爆撃を続けることで、米国は、さらに罪のない人々を殺し、子どもたちとその家族を殺し、それはさらなる怒りを引き起こし、さらなる「悪党ども」を作り出して、ゲリラに参加させることになる。こうして生まれたさらなる「悪党ども」を口実に使って、イラク占領を続ける。占領が際限なく続く理由があることは明らかである。

私には自明だと思える道徳的な真理を述べるとするなら、以下の行為は道徳的な悪であり神の法に対する重大な侵害である:

(1)アメリカ合州国を攻撃したことのない国を攻撃すること、

(2)イラクでの体制変更を達成するために、子どもとその家族を含むイラク人を殺すこと、

(3)イラクに「民主主義」を広めるために、子どもとその家族を含むイラク人を殺すこと。

アメリカの人々が、良心の危機に直面して、こうした問題に立ち向かうときは来るのだろうか?

ジェイコブ・ホーンバーガーは、「自由の未来財団」の創設者で代表。

投稿者:益岡


posted by 益岡 at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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