ところで、そういえば、イラクの人々は本当は我々を疎んじている
ウィリアム・ブルム
2008年1月14日
CounterPunch原文
皆さんはこれを聞き逃さなかったか? アメリカの全新聞、ラジオ、テレビのトップ・ニュースになるべきものだった。ワシントン・ポスト紙では14面に掲載されていた。それ以外のほとんどすべてのメディアでは0面に掲載された。午前0時の、FM00.0で報道された。
イラクの米軍が会社を雇って、イラクの人々の様々な層からフォーカスグループ調査を行なった。その結果概要をワシントン・ポスト紙が入手した。
同紙が明らかにした、報告書の主なポイントは以下の通り。
- 2003年3月の米軍によるイラク占領前は、スンニ派とシーア派は平和的に共存していた。
- イラク人は、宗教・民族グループによらず、皆、米軍の侵略が、宗教派閥・民族グループ間の暴力的対立を引き起こした基本的原因であると考えている。
- 米国がイラクから撤退したら、民族和解が「自然」になされるだろう。
- 「楽観的可能性」の気持ちが「すべてのグループに浸透しており・・・・・・様々なグループに属する一見したところ多様なイラク人の間には、相違よりも共通点のほうがはるかに多い。
- イラクを3国家に分割することで民族和解が阻害される(分割案に反対しなかったのはクルド人だけである)。
- ほとんどの人が、イラクでの生活が苦しくなったのは、米軍による占領開始からであると述べる。
- サダム・フセインがイラクの人々が抱えている問題の原因であると述べた人はほとんどいなかった。報告はこれを重要な知見としており、「イラクにおける現在の争いによって、どうやら、旧政権下で被っていただろう苦しみや不満は完全に色を失った。旧政権下の苦しみが40年続いたのに対し、現在の紛争は5年続いているだけであるにもかかわらず。
ワシントン・ポストは次のように付言している。
「軍以外で最も広範にわたる世論調査をイラクで行なったのはD3システムズ社----バージニアにあり、イラクの18県すべてに事務所を持っている----である。公開された調査の中で最新のものはいくつかのメディアのために9月に行われたもので、それも、軍のフォーカスグループと同じイラク人の考えが広まっていることを示している。すなわち、米国が撤退すれば事態は改善するという考えである。2006年9月に米国国務省が行なった世論調査も同様の結果を示している」。
さて:米軍は、イラク人のこのように馬鹿げた態度に対抗するためのすばらしい方法を考えついた。1月10日、AP通信は次のように報じている。「米軍爆撃機とジェット戦闘機は木曜日、今回の戦争で最大規模の作戦攻撃を行い、バグダード南部の郊外に4万ポンドの爆弾を投下して、米軍がアルカーイダの隠れ家と呼ぶ場所を破壊し尽くした」。米軍戦闘機が、「我々が皆さんを爆撃するのは皆さんのことを心配しているからだ」と述べたパンフレットを投下したかどうかは書かれていない。
12月20日、パナマ議会は、1989年の同じ日に米軍がパナマを侵略したことを追悼して「民族追悼の日」を宣言した。議会で過半数を占める与党民主革命等のセサル・パルド上院議員は、「これは、世界最強の軍による冷酷で不正な侵略により12月20日に犠牲になった人々を追悼するものです」と述べた。米国政府関係者はこれを小馬鹿にした。
「我々は未来志向を好む」と米国大使館の報道官は言う。「パナマのような友、パートナーがいることに満足している。洗練された民主主義を発達させた国だ」。
2003年3月19日のイラク攻撃と同様、アメリカ合州国は、相手側からの挑発も国際的な合法性もない中で(すなわちもう一つの侵略戦争だった)、まずパナマを空から爆撃し、次に地上から侵略して、数千人を殺したが、この精神病的ふるまいに関して何一つまともな理由を発表しなかった。
いつの日か、自由な独立イラクで、3月19日が、民族追悼の日に指定されるだろうか?
ウィリアム・ブルムは「Killing Hope : U.S. Military and CIA Interventions Since World War II」, 「Rogue State : a guide to the World's Only Super Power」(日本語訳『アメリカの国家犯罪全書』作品社・2003年), 「West-Bloc Dissident : a Cold War Political Memoir」の著者。
投稿者:益岡



