2007年12月23日

イラク人難民の帰還は治安の改善ではなく難民生活の過酷さが要因

シリアを中心にイラク周辺で難民となっていたイラク人の中で、イラクに帰国する人々の数が増えています。米国政府およびそれに追従するメディアは「我々のおかげで治安改善したからだ」と叫んでいますが、その背景。

イラク人難民の帰還は治安の改善ではなく難民生活の過酷さが要因
アシュレー・ジョナサン・クレメンツ
2007年12月13日
Electronic Iraq原文

最近、かなりの数のイラク人難民がイラクに帰還していることについて、一部にイラクの治安状況が改善された証拠であると喧伝するものがいる。しかしながら、多くのイラク人難民には、祖国に帰る以外に選択肢がないのだとシリアの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は述べている。

報告書によると、帰還者の多くは、資金が底をついたりビザ切れのためにイラクに戻っており、イラクの治安状況が改善されたと考えたので帰還したという難民は15%以下である。

イラク政府によると、毎日、最大1000人の難民がイラクに帰国している。

「今のところ、ヨルダンにいるイラク人難民が近い将来帰還しようという動きはない」とヨルダンのワールド・ビジョン事務所代表、ニダル・クサールは言う。「ワールド・ビジョンは変化の兆しを見落とさないよう、これからも注意を払い続ける」と。

ヨルダンのUNHCRも、現在ヨルダンで状況に変化が起きていることを示す兆しはないと述べる。ただし、変化はいつ何時急に起きるかも知れないとも。

UNHCRは、現在のところイラクの状況はあまりに不安定なので難民の帰還を奨励はしていないと語る。週末のBBCレポートでも、大規模な難民帰還に対処できる状況ではないことがわかっている。

シリアとヨルダンでは最近ビザ発給を厳しく制限したため、新たな難民が両国で滞在許可を得ることは実質上不可能に近くなっている。そしてとりわけシリアでは、イラク人難民は滞在を続けることが困難になっている。労働許可が下りないため、この地域で難民生活を送るイラク人の貯蓄は急速に底をつき、経済状態はますます悪化しているのである。

ヒューマンライツ・ウォッチが最近出した報告では、レバノンのイラク人難民は逮捕と無期限拘束をいつ何時受けるかわからない状況にある。中には、イラクに帰還するという約束でようやく解放された人々もいる。

【最終段落はワールド・ビジョンの宣伝のため省略】

アシュレー・ジョナサン・クレメンツはワールド・ビジョンの地域緊急アドボカシ顧問。

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 10:23| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般
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