自宅に戻ると家は破壊され、略奪され、あるいは他の人が住み着いていた
IRIN
2007年12月10日
Electronic Iraq 原文
バグダード発(IRIN):イラク人難民イビティサム・アブドゥル=ワッハービ・ハッサンはシリアからバグダードの自宅に戻った。自宅の玄関は壊され、家具は盗まれ、家の一部は火でむちゃくちゃになっていた。
アディル・アブドゥラー・ムンティールも家に戻った。自宅は略奪されていなかったが、そこには別の家族が住んでおり、彼が別の家を彼らのために見つけるまで立ち退きを拒んだ。
バグダードでの暴力が減ったために、シリアに暮らしていたイラク人難民が何万人とバグダードの自宅に帰還している。帰還した人々の多くは、家が破壊されたり、略奪されたり、他の人が住んでいる事態に直面して衝撃を受けている。
「何もかも失ってしまいました」とイブティサムは話す。彼女はシーア派、54歳で4人の子供を抱え、3週間前にイラクに戻ってきた。「二年近く前、夫が地元を離れるのを拒んだためスンニ派民兵の暗殺未遂にあったあと、私たちはシリアに逃れたのです」。
彼女は、16歳の息子とともにバグダードに戻ってきて、残りの家族が家に戻る準備をしようとしていた。「けれども、どんなに大変なことで高く付くか想像していませんでした。既に財産はほとんどなく、年金に頼っています」と彼女は言う。
政府の支援
こうした家族を助けるために、イラク政府は一家族あたり100万イラク・ディナール(約900米ドル)を提供している。
「この金額では、二部屋分の家具を買うこともできません」とイブティサムは言う。彼女は今兄の家に暮らしている。
「私の家の庭で子供たちが遊んでおり、女性がガレージの調理用ポットで服を洗っているのを見て、本当にうろたえました」と44歳のムンティールは言う。彼はスンニ派で二人の子供がおり、18カ月の間シリアに避難していたあと、バグダード南部のバヤー地区に戻った。
「その家族に、ここは私の家だから立ち退いてくれと言ったのですが、彼らは『私たちに別の家を見つけてくれ。私たちはあなたの側の民兵(スンニ派ゲリラ)に自宅を追われたのだから。そうしてくれれば、ここには戻ってこない』と言ったのです」とムンティールは言う。
「今私は両親の家に住んでいます。近くにいるシーア派の宗教指導者と政治家に相談しました。彼らはこの問題を解決する手助けを約束してくれました」。
11月5日、イラク政府は、移民・難民省率いる委員会を結成し、帰還者の財産の問題を検討すると発表した。
「今これについては問題を抱えているが、政府の委員会が、やはり追放された家族が使っている難民の家を調査することになっているので、問題は解決されるだろう」とイラク軍報道官のカシム・アル=ムーサウィ准将はバグダードで開かれた記者会見で語った。
けれども、アル=ムーサウィは、この問題を解決するために政府が採る具体的な対策については話すことを拒否した。
大規模な帰還を前に政府は対応仕切れていない
イラク政府は近隣諸国の難民に帰還を呼びかけている----国営放送で宣伝を放送したりダマスカスからバグダードへ無料バスを運行している----が、大規模な難民を受け入れるにはイラクはまだ十分安全ではないことを認めている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、他国で難民となっているイラク人は200万人を越えており、その多くはシリアとヨルダン、レバノンにいる。一方、イラク国内で避難民となっている人々は240万人にのぼる。
UNHCRは12月7日、シリアから帰還しているイラク人難民の数を知るのは難しいと述べた。ウィリアム・スピンドラー報道官は、8月から11月の帰還に、シリアのUNHCR職員はイラク国境警備当局から、9万7000人がイラクからシリアに入った一方、国境のアル=ワリードを越えてシリアからイラクに戻ったイラク人は同時期12万8000人だったとの報告を受けたと語っている。
彼は、それらの人々全員が難民であるわけではないとも述べた。
シリアのUNHCRが行った調査によると、イラクに戻る人々の46%は、イラクに戻るのはシリアでの生活費が尽きたためだという。治安状況が改善されたと聞いたからというのが14%、ビザが切れたからというのが25%だった。
イラク政府によれば、治安が改善されたため、10月だけで4万5000人の難民がイラクに帰還し、国内避難民の1万人が自宅に戻ったという。
「帰還する人々の数が大きくなると、移民・難民省も政府も対処できなくなる」。12月4日、バグダードの記者会見でイラク移民相のアブドゥル=サマド・ラフマンはこのように語った。「イラク人難民が困難な状況に置かれている隣国----シリアやヨルダン----から帰還したい人々を優先する」。
「治安状況は9割方安定しているが、イラク人の帰還規模は、安定と治安のレベルに対応していない」とラフマンは述べた。
国連救援パッケージ
帰還する家族にイラク政府が提供する財政支援に加え、国連も、帰還家族の中で特に弱い立場に置かれている家族を支援するために、1140万米ドルの予算を割り当てた。
イラクの国連主任使節サタッファン・デ・ミスツラは、支援は5000家族3万人を対象とし、食料と緊急生活キットを提供すると述べた。
「難民の帰還が続いている。大規模ではないが、かなりの数にのぼる。帰還者に十分な支援と保護を提供することで帰還に対処する責任がある」。デ・ミスツラは12月4日の記者会見でこう述べた。
デ・ミスツラもまた、国連がその前に出した警告を繰り返し、治安状況は脆弱なので、国外に暮らす200万人以上の人々に大規模な帰還を呼びかけるのは時期尚早だと言う。同時に彼は、帰還者がいるのは事実なので、対応が必要であるとも述べた。
「特に、弱い立場に置かれた人々、そして主にバグダードとその近郊を対象とする。というのも、現在、バグダードへの帰還者が主だからである」と彼は述べた。
このニュースは国連人道問題調整局の人道ニュース分析サービスIRINによる。ここで表明された見解は必ずしも国連や加盟国の見解を反映しているわけではない。商用目的以外の転送や転載は可能。条件。
投稿者:益岡賢
2007年12月13日
自宅に戻ると家は破壊され、略奪され、あるいは他の人が住み着いていた
近隣諸国で難民となっていたイラク人が数万人、イラクに帰還を始めています。
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