壁は暴力を悪化させる、と専門家
2007年4月24日
IRIN
Electronic Iraq 原文
バグダード発(IRIN)。バグダードの専門家と市民たちは、シーア派地区に囲まれたスンニ派地区の周囲に壁をめぐらせようという米国の戦略を強く非難している。彼ら/彼女らによると、壁をつくることにより何千人ものイラク人の生活は悪化し、暴力が激化するばかりになるという。
「障壁を作ることは、イラクに宗教的および民族的な差異が存在することを自動的に認めることです。それにより、交戦しているグループの信念がより強くなります」。こう語るのはバグダード大学社会学教授のジャセム・アル=レイリである。
ヌーリ・アル=マリキ首相は日曜日(4月22日)に訪れたエジプトで、米軍は壁の建設----とりわけスンニ派が暮らすアダミヤ地区の壁建設----をやめるべきだと述べた。彼は、スンニ派の人々から、壁の建設によりスンニ派居住区がゲットーと化し、生活が締め殺されることになるという苦情を受けていた。
「私は壁の建設には反対する。建設は止めなくてはならない。地域を守るために別のやりかたがある」とアル=マリキはエジプトで記者団に語った。けれども、地元の人々によると、彼の言葉は無視されたらしく、米軍は壁の建設を続けている。
米軍関係者は、4月10日に始まった壁の建設は4月末に終える予定であるという。
バグダードの米軍司令官ジョン・キャンベル准将は、土曜日(4月21日)の記者発表で、イラクの人々をテロリストの攻撃から守るためにバグダード周囲の一定地域に臨時でコンクリートの壁を建設すると述べ、さらにコンクリート壁を建設する第一の目的は人々を守ることにあると述べた。
「セクトの分断線に沿って町を分割することが目的ではない。一部地域に住む人々の地域を安全にすることが目的だ」とキャンベルは述べた。
専門家も地元の人々も、壁を作ることにより暴力は減るどころか、セクトに沿った国の分断が進むため、和平プロセスが遅れることになると述べている。
「政府が存在する目的は、交戦しているグループに私たちイラク人は一つのコミュニティに属していることを気づかせ、差異を強調すればイラクはさらに破壊されるだけだと気づかせることのはずです」とアル=レイリは言う。
アダミヤ地区の住民はコンクリート壁の建設に怒りを表明し、政府は無理矢理住民を分断していると述べる。
「私たちの地域をコンクリート壁で囲むことで、私たちが地域から仲間はずれであることが際だちます。私たちは危険な状態に置かれます。たった一つの地域の中で暮らすことを強制されるのです。生活が、わずか数キロ四方の住宅と商店に制限されてしまいます」とアダミヤ地区に住むカディジャ・クバイシ(52歳)は語る。「私たちを孤立させるかわりに、暴力に対する理性的な解決を見つけ、これ以上苦しみと敵意を増やさないことが必要です」。
ゲリラ・グループ「イスラム軍」の報道官を自称するアブ・アフメドは、コンクリート壁ができたところで自分たちは米軍およびその協力者と戦い続けると語る。
「彼らはイラクをセクトにしたがって分断したがっています。また、地域を孤立させることでムスリム戦士たちを捕らえることが容易になると考えているのです。政府は完全に間違っています。そうしたら私たちはかえって強くなるでしょう」と彼は言う。
アル=マリキが壁建設の中止を呼びかけたあと、他の政府関係者もこの計画に反対の声をはっきりとあげはじめた。彼らもゲリラたちの意見に同意している。
「米軍兵士たちは壁により民間人が守られるなどと主張しますが、実際には戦士たちが誰をどこで標的にすればよいかもっとわかりやすくなるだけです。[壁の]建設は止めねばなりません。首相の決定を尊重すべきです」と内務省の上級士官アラ・ア=フセイン・オバディ中将は言う。「治安を改善するためにできることはたくさんあります。米軍兵士が[アル=マリキの]アピールを理解することを望みます」。
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リバーベンドブログにも壁のことが書かれています。ぜひお読み下さい。
投稿者:益岡





