2007年04月27日

イラクのレジスタンスは占領を終わらせるためだけに存在する

「エスカレートする攻撃は一般に民間人を標的としているのではなく、米軍が率いる軍の残虐行為に対する直接の対応である」。サダム・フセイン政権下で投獄され亡命したイラク人女性が、イラク人レジスタンスの状況を語る。

イラクのレジスタンスは占領を終わらせるためだけに存在する
エスカレートする攻撃は一般に民間人を標的としているのではなく、米軍が率いる軍の残虐行為に対する直接の対応である。
ハイファ・ザンガナ
2007年4月17日
ガーディアン紙
ZNet 原文

今週、バグダードから50マイル離れたムハマディヤで、伝統的なイラクのアバをまとった女性がイラク警察の新規採用予定者たちのただ中で自爆した。2003年に米英がイラクを侵略して以来、女性による自爆攻撃はこれで7度目であり、イラクの女性たちが絶望と悲しみにかられる前には起こらなかった事態である。昨日公開された国際赤十字委員会の報告書によると、イラク人女性たちが予期するものは、死者の遺体を路上から片づける手助けを求めることだけになってしまった。月曜日にナジャフで行われた外国の軍隊に反対するデモに数十万人が参加したのも、やはり同じ苛立ちからである。

占領が5年目に入り、政治家や政党、お互いに戦っている民兵たちのセクト的な分断とエスニック上の分断が巨大になったため、そうした分断を作りだした者たちはグリーン・ゾーンの中に閉じこもったり国外に撤退する一方、一般の人々は暴力の危険にさらされている。その結果、女性の公的な役割も大きく変わった。

占領が始まってから最初の3年間、女性はほとんどの場合、男性親族に守られて家に閉じ込められた。けれども、野蛮な状況により女性の多くが家を支える家長的存在となったため、彼女たちは外で命の危険に身をさらしている。男性は米軍が率いる兵士や民兵、死の部隊たちの主な標的とされているため、失踪した人々や拘留された人々、男性の親族を捜して、黒い衣装を身にまとった女性たちが監獄や政府事務所、遺体安置所に列をなす光景が見られる。死者を埋葬するのは女性たちである。バグダードは夫たちに先立たれた女性の町と化した。けれども、占領軍とその傀儡政権が宣伝するのとは逆に、毎月数千人のイラク人にイラクから逃れることを強いている残虐さが蔓延している町はバグダードだけではない。

モスルからキルクーク、バスラに至るイラクの各地で日々、遺体が見つかっている。遺体は手錠をはめられ目隠しをされ、銃撃を受けており、拷問の痕が残されている。遺体は路肩に捨てられたり、チグリス河やユーフラテス河に浮いている。病院の冷凍室で弟の遺体を発見した私の友人は私に、遺体をチェックしてほっとしたと語ったことがある。「彼は拷問を受けていなかったのです」と彼女は言った。「頭を撃たれただけでした」。

占領のために、公式に認められた政治プロセス以外のイニシアチブを取る余地は残されていない。そのため政治的に捏造された分断の間に橋をかけるネットワークを創り出すための平和的反対派や市民社会の余地はない。この役割を果たすことができるのはモスクだけである。政府が存在しないため、基本サービスを提供し、診療所や学校を運営するモスクもある。モスクの拡声器は祈りを呼びかけるだけでなく、攻撃が差し迫っていることや輸血を求める放送も行う。

けれども、コミュニティ感情を維持しようとするこうした努力は日常的に攻撃にさらされる。火曜日、イラク軍の兵士たちが米軍ヘリの支援を受けてバグダード中心部にあるモスクを襲撃した。人々の尊敬を集めるアブ・サイフともう一人の市民が人々の面前で処刑された。地元の人々は激怒し、兵士たちを攻撃しはじめた。その日が終わるまでに34人が殺された。その中には女性と子どもも複数含まれていた。いつも通り、この処刑とそれを機に起きた虐殺は、ゲリラに原因があるとされた。軍の発表は、米軍とイラク軍は「この地域で連合軍とイラク治安部隊兵士を標的としたゲリラの所在を探し出して特定し、交戦して殺す」行動を継続していると述べている。

レジスタンスが生まれるのは、イデオロギーや宗教、愛国心といった信念からだけではないことを認めることが重要である。占領軍とその政府が行う残虐行為に囲まれた日々の現実からレジスタンスは生まれる。レジスタンスは、日常的な家宅への侵入や品位を傷つける捜索、逮捕、拘留、拷問といった行為に対する反応なのである。赤十字によると、「多国籍軍により拘束されたり収容された人の数は2006年初頭以来、40%増加した。イラク当局に拘留されている人々の数も非常に増え」ている。

治安拘束を受ける人々の多くは女性で、虐待されたり強姦されたりする。また、男性の親族に犯してもいない罪を無理矢理告白させるために、女性たちが逮捕されることも多い。イラク人国会議員のモハメド・アル=ダイネイによると、2006年に占領軍の収容所で女性が強姦されたケースの記録が65件ある。現在、4人の女性が、治安部隊のメンバーを殺したとされ、処刑を待っている----女性への死刑判決は1965年から2004年までイラクでは禁じられていた。4人はこの告発を否定し、アムネスティ・インターナショナルもこの判決に異議を唱えている。

この惨劇に対する解決策は一つしかない。米国と英国が、イラクのレジスタンスが闘っているのは占領を終わらせるためだという事実を受け入れること。そして、レジスタンスを構成しているのはアルカーイダだけではなく、スンニ派とかシーア派というだけでなく、トニー・ブレアが言うようにイランといった周辺諸国にそそのかされたテロリストではなく、ふつうのイラク人であることを認めること。イラク人は誇りを持った、平和を愛する人々で、お互いに憎みあっているのではなく、占領をこそ嫌悪しているという事実を認めること。また、レジスタンスが標的としているのは一般市民ではないという事実を理解すること。米国の独立系研究所であるブルッキングス・インスティチュートによると、レジスタンスが行った攻撃のうち、わかっている限りで75%が占領軍を標的とし、17%がイラク政府軍を標的としている。この1年で平均攻撃回数は倍以上に増え、一日あたり185件の攻撃が行われている。週に1300回、一カ月に5500回以上の攻撃である。

これは、夜昼区別せず考えると、一時間に新たな攻撃が7回から8回あるということである。直接間接にイラクの人々が支持していない限り、この規模のレジスタンスは起こり得ない。

ハイファ・ザンガナはサダム・フセインにより投獄され亡命したイラク人で、「Women on a Journey: Between Baghdad and London」の著者。

GW中は遠くに出かけるため、更新が遅れるかも知れません。

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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