2007年03月05日

イラク労働者対ビッグ・オイル

不法占領者の米英が草案を書いた石油の略奪を「合法化」する法律が、不法な占領下で据え付けられたイラク政府により採択されようとしています。


ダビデとゴリアテの話
イラク労働者対ビッグ・オイル
2007年2月24/25日
キャスリン・ストーン
CounterPunch原文

英国のメディアによると、米英政府はイラクで大勝利を収めつつある。ただし、この大勝利は宣伝されないだろうし、占領を終わらせるものでもない。

ブッシュとブレアの外交政策アドバイザーとして活躍しているビッグ・オイル・ビジネス関係のパートナーが執筆した、新たなイラク炭化水素法により、BPやエクソン、シェルといった国際的な投資企業が向こう30年にわたってイラク石油の75%を吸い上げることができるようになるのである。この経済モデルは「生産分担合意」と名付けられている。けれども、でぶでぶした石油企業がイラクの富の75%を略奪し、破壊的状況に置かれたイラクの人々には25%しか残らないこの75対25の配分を、「分担合意」と呼ぶべきだろうか? 強盗と言うべきではないだろうか?

この法律は、現在、イラク議会で検討中であり、石油委員会の委員長サリー副首相が法律を通そうとしている。

占領下の政府は別として、イラクの労働者組合は、この石油法に断固として反対している。国家歳入の95%を石油部門が占め、確認されている油田80カ所のうち17カ所しか生産が進められていないイラクでは、賭けられているものは膨大である。

バスラの石油労働者総同盟(GUOE)はこの法案に強固に反対している。GUOEの勇気ある組合員たちは、侵略からまもなく、ハリバートンの子会社であるKBR社を石油精製工場から追い出した。チェイニーがKBRに随意契約でKBRに契約を与えたのに対しての行動だった。昨年8月、組合員たちは2日にわたるストライキを決行し、給与引き上げ要求を認めさせた。外国の報道や、篩い分けされていないイラクからの言葉に基づいて知る限り、イラクの他の労働組合もやはり同じ立場である。バスラ大学で開催された石油法を議論するための会議の中で、2月6日、GUOEの会長ハッサン・ジュマー・アワド・アル=アサディは非常に率直に見解を語った。「イラクを軍事占領することによりアメリカ合衆国が達成したい目標の中には----侵略の理由について改めては語りませんが ----大洋をわたってイラクに来て何十億ドルもの金をつぎ込んだアメリカ合衆国の政治指導者の一つの大きな目的は、イラクの石油です。実際のところ、私たちイラク石油労働組合連合は、この卑劣な戦争をアメリカ合衆国が起こした最大の理由は石油にあると考えています」。

アサディ----彼はバース党政権下で政権に反対したため3度にわたって投獄されている----は、イラク議会に対し、「イラクの人々のことを考え、国の富を守り、近隣諸国を観察するよう」呼びかけている。「近隣諸国では、イラクでよりも外国企業との関係が緊密な国でさえ、そうした法律を採択しただろうか? この生産分担合意なるものを提唱している者たちが、イラクの人々の意向に反してそうしているならば、我々はそうした輩に対し、人々の富と運命を勝手にもてあそんだ者たちを歴史は許しはしないと言いたい。天の呪いとイラクの人々の怒りが彼らからそらされることはないと言いたい」。

石油労働者たちは、自分たちへの反応についてしっかり気構えを持っているに違いない。GUOEが昨年夏、最初に反民営化の会議を開催したのち、米国政府とイラク政府はそれに対する報復として組合の銀行口座を凍結した。

組合員は逮捕されたり罷免されたりした。組合指導者の少なくとも二人----イラク労働組合連合(IFTU)のハディ・サレーとGUOWのアリ・ハッサン・アブドが、米軍侵略後に暗殺されている。

サダム・フセインが1987年に導入した法律第150号による労働組合と組合組織の禁止は今も実効力を持っている。2004年、米国の暫定統治代表ポール・ブレマーも、組合を非合法と宣言した。

労働組合員や学者、コミュニティ指導者、女性や子どもの権利活動家、政党、市民による非暴力反占領運動である「イラク自由議会(IFC)」は、2年間にわたってイラクの労働組合とあらゆる市民を結集し、民主的で非宗教的で進歩的な政府を作ろうと活動してきた。イラク自由議会は武装レジスタンスには反対しており、また、分派的暴力を演出しているのは連合軍であると考えている。IFCの指導者の中には、サダム・フセイン政権時代に労働組合を組織したことで投獄された組合指導者もいる。2006年9月、IFCのバグダード事務所は米軍兵士たちに襲撃された。

イラクの労働組合とイラク自由会議は、他の組合員たちや人道家、国際連帯運動、そしてイラク占領は世界の石油支配の一環であることを知っているすべての市民から支持を受けている。日本でも、韓国でも、スイスでも、ポルトガルでも、イタリアでも、英国でも米国でもそのほかの国々でも、市民がイラク人労働者との連帯に参加している。こうした人々はイラクの労働組合を強化するために資金を送り、会議を支援し、組合やIFCの指導者たちの旅行を支え、市民社会再建を支援し、また、イラクの人々の団結したメッセージを検閲なしに伝えるサナTVのような新たなコミュニケーション・チャネルを支援している。

英国の「欠乏に対する戦い(WOW)」というグループは、貧困と闘い、国際的な労働者の権利のために活動している。WOWはバスラの石油労働者総同盟を支援し、イラク石油の民営化に反対するキャンペーンを行っている。

「石油はイラクでもっとも大切な天然資源で、巨額の歳入をもたらしています」とWOWは語る。「けれども、暴力が日常的に続く中でイラクの人々が社会を再建しようと奮闘しているにもかかわらず、その中で、イラクの石油が秘密のうちに、外国の多国籍企業に売り払われようとしているのです」。

「イラクの人々の圧倒的大多数が石油の民営化に反対していますが、政府は民営化が進められていることを否定してきました。さらに、契約に署名した企業は、自分たちの利益に不利となるような新たな法律の適用からは例外と扱われます。それにより、こうした企業は、労働者の健康と安全を犠牲にしたまま、非人間的な労働環境で労働を強いることを続けられるのです・・・・・・WOWは、石油労働者の民営化反対闘争、そして石油労働者の窮状に対する国際的な連帯キャンペーンを支持します」。

由緒正しい「戦争抵抗者連盟」(WRL)もまた、2004年、イラクの労働者との連帯を表明し、次のように宣言した:「南部石油会社、そしてイラクの様々な電気施設で労働組合の組織化が始まった。労働者たちは賃上げと労働環境の改善を勝ち取った。労働組合結成という極めて重要な文脈で、敬意を持って、非暴力の拡大を私たちは奨励したい」。

「戦争に反対する米国労働組合(USLAW)」----140以上の労働組合や評議会、同盟などの労働関係組織のネットワークで数百万人のメンバーを有する----は、2005年夏、イラク労働組合運動の指導者6人を米国に招いて20都市で連帯ツアーを行った。USLAWはイラク労働連帯基金を設立し、、「我々が米国で直面している反労働組合諸企業とあさに同じ企業であるベクテル、ハリバートン、スティーブドーリグ・サービスなどといった多国籍企業と米国の侵略からイラクの労働者が自らの見を守る」支援をしている。USLAWはまた、次のように宣言する:「米国と米国がイラクに作りだした政府は、イラク人の労働運動を窒息させようとする一方で自分たちは民主主義に賛成だなどと言うことはできない」。USLAWは、米国全土で、労働運動家や社会正義活動家に、イラク社会の利益を守るために闘っているイラクの労働組合に対する介入に抗議するよう求めている。

皆さんは、ダビデとゴリアテの話を覚えているだろうか? 大多数の国で、人々は、政府指導者に、自分たちは指導者の方針には従わず、イラクという一国全体を汚職と攻撃の犠牲にさせないと宣言してきた。私たちは、イラクでダビデのように勇敢に戦っている労働組合員たちにとって有利な結果をもたらすよう期待し、そのために活動することができる。そして、ゴリアテのように巨大ながら欲に目がくらんでいる石油企業をうち倒すことに成功するよう望むことができる。お話の結末を、私たちは知っている。

キャスリン・ストーンはミネソタのツイン・シティーズ在住で、科学や健康、経済、国際関係を扱う作家。2005年以来、イラクの労働組合について文章を書いている。

関係する議論としては、リンダ・マクウェイグ著・拙訳『ピーク・オイル』もお読みいただけると幸いです。

「国」のレベルでなく「家」のレベルに移し替えて見ると、米国が行い、日本が支持している行為は、殺人強盗に他なりません。

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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