2011年01月24日

戦争犯罪とウィキリークス

ムミア・アブ・ジャマルがウィキリークスをめぐる議論をきっかけにイラクとアフガニスタンの戦争犯罪に対する西洋の反応を語る。 

戦争犯罪とウィキリークス
ムミア・アブ・ジャマル
ZNet原文
2011年1月20日木曜日

偏執狂的右翼の中で、ウィキリークスで有名なジュリアン・アサンジを暗殺せよとの呼び声があがっている。すぐに逮捕して起訴し、米国の反スパイ法なるものに違反したとかの罪で有罪にせよと主張する者もいる(アサンジは米国市民ではないにもかかわらず)。

騒音はいくらか静まったようだが、米国政府筋はアサンジなるオーストラリア人に激怒しており、邪悪で縁起の悪い脅迫を行っている筋もある。

ウィキリークスが有罪だとするなら、それは企業メディアが従っている暗黙の規則、すなわち国家の機密は秘密にしておけという規則を遵守しなかったことについてであろう。

イラクとアフガニスタンで米国政府高官が犯している戦争犯罪に対する起訴をめぐってメディアに沈黙が広がっていることを考えると、アサンジを起訴せよという野次声は驚きである。実際、戦争それ自体、国際法に対する厚かましい侵害である。というのも、加盟国に対し、挑発を受けてない状況で他国を攻撃することを禁じている国連憲章の文言にも精神にも反するからである。従って、戦争は戦争犯罪である!

米国が人々に拷問を加えていなかったとしても、民間人を殺していなかったとしても、歴史的な名所(世界最古の都市の一つバビロン)を破壊していなかったとしても、いかさまの口実を使って国々を粉々に破壊していなかったとしても、そうなのである。

連邦準備制度理事会の元議長アラン・グリーンスパンは最近、多くの人々が既に知っていることを口に出した:「イラク戦争は主に石油を狙ったものだった」*。

それにもかかわらず、ジョージ・W・ブッシュ元大統領とその閣僚は誰一人戦争犯罪で告発されていない。まるで国連には国際法違反について馬鹿者の罪は問わないという例外規定でもあるかのようだ(「あらら、大量破壊兵器はなかったってか! まいった!)

何百万人もが国外逃避を余儀なくされ、国はエスニック・ゲットー化され、数十万人(控えめな推定だ)が命を失い、インフラは爆撃で粉砕された。それでも、国際法に違反していない?

どうやら違反していないらしい。というのも、苦しみを受けているのはたかがアラブ人だからだ。

経済学の元教授エドワード・R・ハーマンとジャーナリスト・研究家のデヴィッド・ピーターソンは、2010年に出した共著書『ジェノサイドの政治学』の中で、国際法の運用に当たる者たちが、一部の有力国----と言うべきだろうか?----が振るった暴力については無視してきたと書いている:

白人=北の大国が有色人種に対して犯した犯罪の中で重大性の基準を越えたものを「国際正義」の守護者たちが依然として一つも見つけ出していないと同時に、「保護を与える責任」とか「不処罰を終わらせる」といった素敵な戯れ言も、いかにおぞましい犯罪であれ北の白人大国が犯した犯罪の犠牲者に対しては及んでいない。西側の大国はボスニア=ヘルツェゴビナやルワンダ、ダルフールなどについてせかせかと「ジェノサイドだ」と宣言し、実行犯の責任を追求するための法廷を設置すべきだと世論に訴えた。対照的に、自分たち自身の政府が、東南アジアや中米、中東、ブラックアフリカに加えた犯罪に対する沈黙はどこにも存在しない。

* 情報源:Greenspan, A., The Age of Turbulence (NY: Penguin, 2007), p. 464; Herman, E. & D. Peterson, The Politics of Genocide (NY : Monthly Review Press, 2010 , p.112.)

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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