2010年11月06日

戦争ログファイル:現在と今後(2)

WikiLeaksがリークしたイラク戦争関連文書をめぐって、クリス・スパノスによるマイケル・シュワルツへのインタビュー(2)。
戦争ログファイル:現在と今後(2)
マイケル・シュワルツ&クリス・スパノス
ZNet原文

2. スパノス:確かに、ログが提供する40万にのぼる報告書の膨大なデータは世界中のメディアで大評判になりました。けれども、イラクの人々にとって、今回ニュースの見出しになったことはすべて、米国が2003年にイラクに戦争を仕掛けてイラクを占領して以来----さらには90年代に米国と国連がイラクに経済制裁を科していたときから----よく知っていたことで、自ら体験していたことに過ぎませんでした。主流はメディアが今回、イラクの人々にとって意外な新事実であるかのように騒ぎ立てたことについてはどう思いますか?

シュワルツ:イラク戦争の当初から、イラクの大部分の人々は、米軍の意図とイラクで担う役割については何の幻想も抱いていませんでした。米国の調査会社が行った世論調査では、60%から90%(場所と時期によって異なります)のイラク人が、米国のことを、イラク人の人命にも福祉にも関心を持たない残忍な占領軍と見なしていることがわかっています。ほとんどの人が、米軍によるイラク侵略の目的は石油を略奪して支配することにあると考えていたのです。

イラク人のほとんど全員が米国のイラク駐留に反対しているため、つい最近のものも含め、イラクの選挙では常に、米国の撤退を第一の公約に掲げる綱領をもつ候補や党に溢れていました。実際、最近の選挙では、2011年12月の期限までの完全撤退を提唱しない唯一の主要政党(最高会議)は大敗を喫しました。米国のイラク駐留についてははるか以前から反対の声が強かったにもかかわらず、今回の暴露資料の公開に対しては、大きな反応があるだろうと思います。

これまでの論争に対するオバマ政権の対応を見るのは教訓的だと思います。とりわけ、ブッシュ政権高官を戦争犯罪で訴追すること(今回の新たな資料によりこの声は新たに持ち上がるかもしれません)、そしてWikiLeaksがこの前に公開したアフガニスタン戦争に関する文書9万点をめぐってです。いずれの場合も、オバマ政権はこうした情報の露呈(裁判あるいは文書公開による)が各地の戦闘地帯で戦っている米軍兵士を「危険に陥れる」可能性があると論じてきました。こうしたコメントは、暴露された情報の中にゲリラが軍事的に使える情報が含まれているという主張だけに基づくものではありません。そうしたにせの議論(すでに繰り返し反駁されてきた議論です)に加えて、さらに予想される(正しいと思われる)事態があります。事態を知っていたイラク人でさえ、これらの文書(そしてブッシュ政権が行った残虐行為の裁判)に含まれている残虐行為の圧倒的な量の多さに驚きまた怒るだろうし、さらに、米軍上層部の司令官や政府高官が大虐殺を容認し、承認し、さらには命じさえしたことを示す証拠を前にさらに激怒するだろうという点です。

米国政府高官が文書の公開について恐れているのは、このように怒りが激化する事態だと思います。情報が暴露されることでイラクやアフガニスタン、パキスタンにおける米国の駐留と行動に対して、現在は受動的な市民の中からさらなるレジスタンスの動きが生まれるのではないかと感じているのです。そうしたレジスタンスの一部は暴力に訴えることになるでしょうし、その点で、米国政府高官は完全に正しいと思います。つまり、WikiLeaksの暴露はこれら3国(そしてさらにはイエメンでさえ)でゲリラ活動を活発化させる可能性があり、その結果、それらの国々で各地の都市や町、村を侵略している米軍兵士を危険に晒すことになるでしょう。

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 10:57| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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