2010年03月16日

女性たちはサダム時代を懐かしむ

米国のイラク不法侵略と不法占領下での女性の権利について。
女性たちはサダム時代を懐かしむ
ダール・ジャマイル
DahrJamailIraq.com
2010年3月12日

バグダード。サダム・フセイン政権下で、公務員の女性は1年間の産休を採ることができたが、現在、産休は6カ月に短縮された。1958年7月14日、英国が据えた王制をイラクの人々が追放したときに発効した個人身分法のもとでイラクの女性たちは西洋の女性が有する権利のほとんどを有していた。

現在、女性たちはイラク憲法第2条を憎んでいる:「イスラム教は国家の公式宗教であり法律の基本である」。第A項には「イスラム教で誰もが認めている諸規則に反する法はいかなるものも採択できない」とある。この条項のもとで、女性の権利をめぐる解釈は宗教指導者の手に委ねられる----そしてその多くはイランの影響下にある。

「米国占領当局は女性の権利を反故にすると決めたのです」。イラクで女性の権利を求めるキャンペーンを進めるヤナル・モハンマドはこう話す。「イスラム系の政治団体がイラク南部を支配して完全に権力を握っており、イランの財政支援を利用して兵士と同盟者を募っています。イラク南部で人々がこれを受け入れているのは、イスラム法を望んでいるからではなく、イランの財政的・政治的支援があるからです」。

新たな法とともに新たな無法状態が訪れた。バグダード大学の卒業生で30歳になるノラ・ハマイドは、希望の職を諦めた。「私が大学を終えたのは侵略者たちが来る前でした。当時は治安もよく、私も自由に大学に行けたのです」とハマイドはIPSに語る。今では自由に移動できないばかりか、日々、子どもたちの心配をしなくてはならない。「毎日です。学校に行くために家を出て戻って来るまで。誘拐されるのではないかと心配します」。

議会では25%の議員が女性であるが、サブリアは「比例代表制で選出されたこれら女性議員は党のためになら行動しますが、女性の権利のためには行動していません」と言う。イラクの女性たちにとって、侵略は過去の話ではない。

イラクで女性たちが置かれた状況はイラク全体の状況を反映している。誰もが治安とインフラの欠如から悪影響を受けている。

バグダードにあるアル=ナフライン大学の政治学教授マハ・サブリアはIPSに、「イラクの女性の地位は社会状況全般に関連しています」と話す。「女性の権利に対する侵害は、イラクの人々全員に対する権利侵害の一部なのです」。けれども、「占領下で女性が抱える苦しみは二重になります。占領のために多くの自由を失ったためです」。

「今や男性はかつて以上に拘留されています。そのため女性が家族を養う責任をすべて負い、家族と子どもたちの世話をすべてしなくてはなりません。同時に、治安状況が悪化し、女性と子どもは犯罪組織に誘拐されるので、女性には移動の自由もありません」。

さらに、女性たちは若いうちに結婚するよう圧力を受けていると彼女は言う。家族が、夫がいれば安全だと期待するためである。

女性の誘拐は「占領が始まる前には存在しませんでした」とサブリナはIPSに語る。「占領により、女性たちは学ぶ権利も自由に普通の生活を送る権利も失ったのです。そのため、イラクの女性たちは、これまで以上に、抑圧と権利の否定に喘いでいます」。

ヤナル・モハンマドは、憲法は女性を守りもせず、基本的人権も保証していないと考えている。米国が、イラクに多元的民主主義を育む責任を放棄したことが理由だと彼女は言う。

「今、イラクを本当に支配しているのは、古い伝統と同族的な送れた規律です」とサブリナは言う。「最大の問題は、今日イラク社会に広まる後進的考えと無知のために、ますます多くの女性が自分たちの権利を知らなくなっていることです」。

夫が占領軍や政府の治安部隊によって恣意的に拘束されたため、多くの女性がイラクから逃げ出したとサブリナは言う。

ブルッキングズ研究所とベルン大学による国内避難民プロジェクトの共同代表エリザベス・フェリスの推定によると、占領のために400万人以上のイラク人が家を追われた。そのうち約280万人は国内避難民、それ以外の人々は主として近隣諸国で難民となっている。

「帰還? イラク人の大規模帰還における見通しと問題」と題する報告書によると、家を追われたイラク人女性のほとんどが、現在も続く不安状態を理由に、帰還に章極的であるという。

ワシントンにある「難民インターナショナル」(RI)は報告書「イラク人難民:帰還には女性の権利と安全が必須」と題する報告書の中で、「イラクの女性たちは、イラクの状況が改善されたとしても、女性の権利を保証し身の安全と家族の安全が保証されない限り、帰還に抵抗するだろう」と述べる。

RIの報告書は、イラクの半自治地域である北部のクルド人居住地域における国内避難民とシリアの女性難民を対象にしている。「RIがインタビューした女性のうち帰還の意志があると述べた人は一人もいなかった」と報告書は述べている。

「このテントにいる方がバグダードの宮殿にいるよりくつろげます。家族が安全ですから」。イラク北部で家を追われたある女性はRIにこう語った。

イラクにいる女性にとって、状況は依然として厳しい。

イマンとだけ名乗った35歳になる公務員はIPSに次のように語った。「私は仕事を持ち、毎日職場に行きます。私自身にとってもイラクで苦しむ人々すべてにとっても最大の問題は、道路が封鎖されており、私たちには権利も尊厳もないと感じることです」。

「これで治安がどれだけ改善されたのでしょうか?」 彼女は言う。「今の方が給料はいいですが、安全がまったく確保されない状況で女性たちはどうやって生きればよいのでしょう? 安全な場所、休めたり楽しめたり生活できる場所がなくて、どうやって権利を享受できるというのでしょうか?」

(*バグダードの特派員アブがダール・ジャマイルと密接に協力している。ダール・ジャマイルは米国在住のイラク専門記者でイラクについて多数の記事を書いている。)

投稿者:益岡


posted by 益岡 at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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