2010年02月10日

親切? 卑劣? アメリカが示す選択的な同情

米国の独立系ジャーナリスト、デーブ・リンドルフによる「援助」の分析。リンドルフが運営するウェブサイト「This can't be happening」から、許諾を得て紹介します。
親切? 卑劣? アメリカが示す選択的な同情
デーブ・リンドルフ
http://www.thiscantbehappening.net/原文
2010年2月2日

大地震が起きたあと、アメリカの人々がハイチの貧しき人々に注ぎ込んた心からの同情と支援について。

アフガニスタンやイラクの貧しき人々に注ぎ込まれる同情と支援はどこにあるのだろう? 確かに、我々アメリカ合衆国は、アフガニスタンとイラクで戦争を続けている。けれども、我々がこれら二国で戦争しているのは、そこに暮らす人々を助けたかったからではなかったろうか?

皆さんは、2004年末に米軍海兵隊が通り抜けて破壊し尽くしたあとのファルージャ市の写真をご覧になったろうか?


2004年に米軍が攻撃を加えたあとのファルージャ


米軍の爆撃で破壊されたファルージャの建物


「旋風」:米軍海兵隊のファルージャ侵略

2004年11月に米軍海兵隊が攻撃を加える以前、30万人の住民が暮らしていたファルージャは、海兵隊による爆撃と砲撃を受けたのちにブルドーザーで破壊され、大部分が完全な荒地と化した。どれだけの民間人が殺されたかについて正確な数字はないが、推定犠牲者数は数千人から数万人にのぼる。病院も爆撃され、救急車も銃撃を受けて破壊され、安全を求めて河を泳いでファルージャを逃れようとした民間人は機銃掃射でなぎ倒され、イラク人レジスタンス戦闘員に対して黄燐兵器が不法に使われ、それによって必然的にさらなる民間人が殺され負傷し、捕虜になったイラク人戦闘員は米軍海兵隊に処刑された。さらに悪いことに、米軍は街中に劣化ウラン弾をはじめとする有毒兵器をばらまき、英国の報告によると、そのために町では新生児欠損症や乳児死亡率が激増している。

イラク全体に目を向けると、信頼できる医療関係の専門家団が、米国によるイラク侵略の直接的帰結として80万人以上のイラク人市民が殺されたか死亡したと推定している。サダム・フセイン----侵略を正当化する口実の一つに彼を追放することがあげられていたはずだ----が数十年にわたるイラク支配のあいだに殺した人の数よりも、この犠牲者数ははるかに多い。約150万人が重傷を負った。侵略から7年たった今も、イラクの社会基盤はほとんど破壊されたままで、400万人にのぼろうというイラク人が難民となり、その多くはシリアとヨルダンのキャンプで暮らすことを余儀なくされている。

ところでまた、米国がアフガニスタン----米国はアフガニスタンでの戦争拡大準備を整えたばかりである----に加えた破壊の写真はご覧になったろうか? 


米軍が残した爪痕


米軍の空襲により殺された市民を埋葬するアフガニスタンの人々


2008年、アフガニスタン難民キャンプ

2001年に米軍が侵略を開始して以来、アフガニスタンではすでに1万人近くの民間人が殺され、1万5000人が重傷を負った。

イラク戦争もアフガニスタン戦争も想像を絶する規模の災害であるにもかかわらず、アメリカ人が支援のために列をなす光景は見られない。それどころか、我らアメリカ人はイラクとアフガニスタンにいる我らが「ヒーロー」----虐殺と破壊のまさに主因となっている者たち----にクッキーやテレフォンカード、子どもたちからの手紙を送るキャンペーンをやっている。

どうしたわけか、アメリカ人の同情は天災の犠牲者には向けられ、天災とあれば携帯電話に飛びついて、生存者に援助や手助けを提供してくれそうな慈善団体に寄附を寄せる。けれども災害が我々アメリカ人自ら作り出したものであるとき、死と惨状を引き起こしているのが我々が税金をつぎ込んだ兵器であるとき、そして殺人を行なっているのが政治とは無関係の強風や豪雨やプレートテクトニクスの動きなどではなく、我々自身の隣人や親類であったりもする米軍の男女兵士であり、しかもそうした兵士たちの行為が我々自身が選出した政治家の命令で行なわれているとき、援助を提供する我々アメリカ人の動きは鈍い。

実際のところ、我々の名のもとにイラクやアフガニスタンの人々に我々が何をしているのか知りたがりさえしないのだ。

確かに、報道陣が帰国し、災害の惨状にかわって有名人のスキャンダルがTV画面を占めるようになったとたん、ハイチや、2004年の津波で被害をうけたインド洋の沿岸地域に対する援助の蛇口が閉じてしまうのは大きな問題だが、我々アメリカ自身が地震の役割を果たしているイラクやアフガニスタンのような場所については、そもそも援助の蛇口が開かれることさえない。

本来、少なくとも、逆であるべきではないだろうか?

しかしまたさらに言えば、我らの米軍が世界各地の罪のない人々に加えているおぞましい惨劇を綿密に調べて、そうしたことが今後は起こらないようにするほうが、よりいっそう大切ではないだろうか。

ハリケーンの進路や地震予知、津波接近警報などを研究するために多額の予算がつぎ込まれてきた。一方、すでに我々はペンタゴンが引き起こす破滅を防ぐ方法をよく知っている----予算を撤廃すればよい----のだから。

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ファルージャの状況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。