2010年01月29日

調査によると、イラクには高濃度の放射能汚染・ダイオキシン汚染が広がっている

イラクの広い範囲で、劣化ウランやダイオキシンなどの汚染が広まっていることが、イラク環境省、保健省、科学省の共同調査でわかりました。ガーディアン紙の記事から。
調査によると、イラクには高濃度の放射能汚染・ダイオキシン汚染が広がっている
マーティン・チュロフ(バグダードより)
ガーディアン紙原文
2010年1月22日

・当該箇所の周辺では、高い率で癌と出生時欠損が見られる。
・毒の一つに劣化ウランがあることを報告は明らかにしている。


石油パイプラインの爆破、二度にわたる戦争で使われた様々な弾薬などによる汚染が、イラク南部の都市バスラで健康被害を引き起こしている[写真:ダン・チュン]。

30年にわたる戦争と無対策の結果、イラクでは40箇所以上が高濃度の放射能とダイオキシンに汚染され、イラクのかなりの場所が環境的に荒廃していることが、イラク政府の公式調査で明らかになった。

ナジャフやバスラ、ファルージャをはじめとするイラクの大都市内およびその周辺に汚染地域の約25%が存在している。これは、過去5年間に癌および出生時欠損の増加が観察されるコミュニティと合致しているようである。環境省と保健省、科学省が共同で行ったこの調査では、バグダードとバスラ市内および周辺の金屑集積所には高濃度の放射線が観察されたが、これは第一次湾岸戦争および2003年のイラク侵略以来、米軍が用いた弾薬に使用されている劣化ウランの遺産であると考えられている。

イラクの貧しい地域に暮らす人々の健康状態が一般的に悪化している主な要因は、とりわけイラク南部の農業地帯における高濃度のダイオキシンではないかとの疑いがますます強くなっていると、イラクのナルミン・オトマン環境相は言う。


イラクの汚染地帯の図

「バスラを見ると、周辺にひどく汚染された箇所が数ヶ所あることがわかります。多くの要因が関与しています」と彼女はガーディアン紙に語った。「第一に、バスラは二度の戦争で戦場になりました。湾岸戦争とイラン=イラク戦争です。多様な爆弾が使われました。また、石油パイプラインが爆破され、汚染のほとんどがバスラ市内と周辺に来たのです」。

「土は人々の肺に入りますし、食べ物にもつきます。これらの地域ではダイオキシン濃度がとても高いのです。生態系にも健康全般にも、体系的な問題を大規模に引き起こします」。

政府の調査団は、最近、バグダードの西にある戦争によって荒廃した街ファルージャを調査した。2004年に米軍と抵抗運動とのあいだで激しい戦闘があって以来、治安状況が不安定だったため、これまで科学者はファルージャの調査をしてこなかった。

「これまでのところファルージャでは一ヶ所しか調査していません」とオトマンは言う。「国際的な支援のもとでできるだけ早く、他の地域も調査する予定です」。

ガーディアン紙は11月、地元の医師たちがファルージャで新生児欠損症、とりわけ新生児の脊髄と脳を痛める神経管欠損が激増していることを報じた。「それらの報告は受けていますが、原因について結論を出すにあたっては慎重を期す必要があります」。オトマンはこう語る。「ファルージャの保健状況は全般によくないのです。下水設備もなく、家庭のゴミが溜まっており、遺伝に直接影響する病気を引き起こしています。けれども、ここで劣化ウランが大量に使われたかどうかはわかりません」。

「私たちはこれの情報を整理し監視しています。緊急にデータベース化しようとしています。国連環境計画の協力をえて、ジュネーヴに報告しました。500箇所で科学物質と劣化ウランを調査しました。これまでそのうち42箇所を、ウランと毒物の[高い危険性を持つ]地域と認定しました」。

イラクの放射性物質廃棄担当局は、そのうち10地域を、高濃度放射線地域に分類した。その中には、トゥワイサ核施設にある元原子炉三箇所----バグダード南東のこの施設はかつてはサダム・フセイン政権の自慢だった----や、二度の湾岸戦争で爆破されたか戦間に取り壊されたバグダード周辺の元研究所も含まれている。

放射性物質廃棄担当局を統括するアドナン・ジャリエスは次のように話している。国際原子力機関の査察団がイラクに来て「サイトを訪問したとき、世界最高の科学がすべてあったとしても、2020年より前にはその一つとして綺麗になったと考えることはできないでしょう」。

バグダードにある被爆管理センターのブシュラ・アル=アフメド所長は、これまでにイラクの80%を調査したと語る。「これまで、戦争で汚染された地域に焦点を当ててきました」。「これからの計画には、戦争で破壊されたサイトの浄化も含まれています」。

「たとえば戦車が破壊されてから撤収されたとき、放射能の跡がはっきりと残るのです。そうしたサイトの汚染を取り除くためにはかなりの時間がかかります」。

廃棄物捨て場は大きな懸案である。さびついた車や戦争で破壊された物からなる廃墟がバグダードや、バグダードとバスラの間の街に点在しており、子どもたちやごみあさりをする人たちが何の規制も受けずにそうした場所で物を探している。

イラクの環境悪化は、イラク全土を急に襲った干ばつと水不足により悪化しているとオトマンは言う。ユーフラテス河とチグリス河の水量は、70%減った。

「正直なところ、私たちは二つの河にはさまれた土地に暮らしているとはもう言えなくなっています」と彼女は話す。「イラクに来る水の多くが、まずトルコとシリアで発電に使われます。イラクに来たとき、水質は悪化しているのです。農業に使われる水が汚染されていることも少なくありません。イラクは現在、並外れた環境災害のただなかにあります」。

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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