2009年11月16日

ファルージャで新生児の欠損症が激増

5年前に米軍が激しい攻撃を加えたファルージャ。米軍はファルージャ攻撃時に様々な「非通常」兵器を使ったと言われています。英ガーディアン紙が、そのファルージャで、新生児の障害が急増していると報告。
ファルージャで新生児の欠損症が激増
マーティン・チューロフ
ガーディアン紙原文
2009年11月13日

かつての戦闘地域で、新生児の腫瘍と障害が異常に集中している

イラク、ファルージャ。戦争で荒廃したこの町で働く医師たちは、通常の15倍にのぼる新生児の慢性障害と幼少児期癌の急増という状況に直面している。これらは、戦闘が残した毒性物質と関係している可能性がある。

先天性欠損症が驚くほど増えている状況が具体的にされたのはここ数カ月のことである。限界を越えた状態にあるファルージャの医療体制の中で活動している専門家たちが、新生児全員の詳細な診療記録を整理し始めたからである。

ガーディアンがインタビューしたファルージャの神経科医と産科医たちは、先天性欠損症----双頭や多発性腫瘍のほか、神経系に問題を持った新生児----の急増はこれまでに見られなかったもので、現在のところ説明がつかない、と語る。

イラクの元女性問題担当相ナワル・マジード・ア=サッマライ博士や英国の医師デヴィッド・ハルパンやクリス・バーンズ=コックスなどをはじめとするイラクと英国の関係者が国連総会に請願を出し、独立委員会を設置してこうした欠損症の全面的な調査を進めるとともに、サダム・フセインが追放されてからの6年間も含めた過去数十年の戦争が残した毒物を浄化するよう求めた。

ファルージャ総合病院の院長で神経科上級専門医のアイマン・カイス博士は、「中枢神経系の異常が非常に増えています」と語る。「2003年[米軍のイラク侵略]が始まる前は、新生児の形態異常はまばらでした。現在、新生児の形態異常が劇的に増加しています」。

実際、激しい増加で、2年前には2週間に2例だったものが、現在では1日に2例となっている。「ほとんどが頭部か脊髄ですが、下肢の欠損症も多くあります」と彼は言う。「二歳以下の脳腫瘍の数も大幅に増えています。多発性腫瘍の焦点領域です」。

数年間、不確かな情報と事例証拠に基づいて推測されていた、極めて恐ろしい現象が、イラクで戦闘が最も激しかったファルージャで、今や具体的なかたちとなって現れている。これまで、先天性欠損症を含め流産した子どもや継続的な治療の対象となっていない子どもは、こうした病気の例には数えられていなかった。

ガーディアン紙は小児科医のサミラ・アブドゥル・ガーニに、三週間にわたって正確な記録をとるよう求めた。彼女がとった記録から、その期間にファルージャ総合病院で生まれた37人の乳幼児に異常が見られた。その多くは、神経管欠損だった。

同病院小児科部門の部長バッサム・アラー博士は今週、国際専門家にファルージャ市内各地の土壌サンプルを取り、科学者に、これだけ多い病気の原因を調査するよう求めた。彼によると、病気の多くは、母親が妊娠前あるいは妊娠時に「後天的に」被ったものであるという。

他にも、原因に注目しはじめた保険医療関係者がいる。原因の主なものは化学物質中毒あるいは放射能中毒ではないかと思われている。幼児腫瘍が異例なほどまとまって発生していることは、バスラやナジャフ----これまでに激しい戦場となり、現代兵器が大量に使われた地域----でも繰り返し指摘されていた。

ファルージャの現場医師たちは、戦闘との因果関係を語りたがらない。そうではなく、原因の候補として複数の要因をあげることが多い。

「大気汚染、放射能、化学物質、妊娠時の薬物使用、栄養失調、母親の心理状態などがありえます」とカイス博士は言う。「まだ、回答は得られていません」。

新たに開院したファルージャ総合病院でも、ファルージャ各地の身体障害者センターでも、通常でない増加は明らかである。11月2日だけで、新生児病棟で神経管欠損が4例あり、集中治療病棟と外来診察室でさらに数例あった。

ファルージャでは、米軍がイラクを侵略したのち、二度にわたり大規模な戦闘が繰り広げられた。2004年に二度、米軍海兵隊と歩兵隊が、元バアス党員およびイラク軍の一部と結びついたスンニ派レジスタンスと激しい戦闘を繰り広げたのである。

最初の戦闘は、米国政府との契約下にあった傭兵企業ブラックウォーターの傭兵4人が殺された犯人を探し出すために行われた。米軍の大砲と戦闘機によりファルージャは莫大な爆撃を受けた。黄燐を含む問題のある兵器が使われた----米国政府もこれを認めている。

乳幼児腫瘍の統計は、出生後すぐに明らかになる神経系異常に関する新しいデータほど信頼できるものとはみなされていない。神経外科医のアブドゥル・ワヒド・サラー博士は次のように言う。「神経管欠損の場合、頭が通常より大きいことが少なくありません。心臓や目にも欠陥があり、しばしば下肢がゆるんでいます。ファルージャでは戦争後の時期について義務的な記録がないため、はっきりしていません。けれども[腫瘍の増加については]血液の悪性腫瘍が急増していることは確実で、それは先天異常ではありません----後天性の病気です」。

新病院の建設に予算を全額提供し、8月に設備の整った総合病院が開院したにもかかわらず、イラク保健省はほとんど機能しておらず、ファルージャの緊急ニーズに対して対応策をとることができずにいる。

政府が対応できないため、ファルージャの関係者は、歴史的に外国の介入に慎重だったにもかかわらず、国際社会の支援を求めた。「科学の領域でさえ、外国に働きかけたがらない態度があります」とサラー博士は言う。「けれども、その段階は過ぎました。私は、毎日複数の手術を行っています。助手が一人いるだけで、自分ですべてをやらなくてはならないのです」。

投稿者:益岡
posted by 益岡 at 09:47| Comment(0) | TrackBack(1) | ファルージャの状況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: イギリスの「ガーディアン」紙(11月13日付)が、"Huge rise in birth defects in Falluja"(ファルージャで先天性障害急増」の見出しで、2004年に米軍の猛攻を受け..
Weblog: ぼろぐ
Tracked: 2009-11-21 07:21

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