2009年08月18日

イラクにいる傭兵たちと殺人

米軍の都市部からの撤退といった報道がある中、傭兵の数は減っていません。傭兵が引き起こす事件も。
イラクにいる傭兵たちと殺人
エリック・ストーナー
ZNet原文
2009年8月17日

イラクで傭兵企業がますます大きな役割を果たしている中で、どんなに規制を強化しても、悲劇の勃発を阻止することはできない。イラクに残った最後の英軍兵士たちが撤退し、イラクの軍事占領に対する英国の直接的関与が終わったことを祝福するのはよいが、そうしたお祭り騒ぎは残念ながら時期尚早である。

この日曜日、ロンドンに本社を置く傭兵企業ArmorGroupで働く武装契約要員二人が、同じ会社の別の契約要員にバグダードのグリーンゾーンで殺された出来事は、英国人が依然として戦争の遂行に深く関わっているという厳然たる事実を明らかにしている。

実際、いわゆる「有志連合」に残る国が表向きはなくなった現在、そしてオバマ政権がイラクでの戦争を少しずつ縮小しはじめている中で、傭兵企業はかつてないほど重要な役割を果たしている。

6月、ペンタゴンが発表した報告書は、イラクには依然として13万2610人の契約治安要員がおり、それにより実質上、占領部隊の規模は正規軍の規模の二倍にないること、また、イラクにいる「民間軍事会社」の数は、2009年の第二四半期に23パーセント増加したことを明らかにしている。

米国国防省はデータを国別に分けていないが、報告書によると、イラクで雇われている要員の中には米国人でもイラク人でもない「第三国の要員」が6万244人いるとしている。したがって、この影の軍隊に参加している英国籍の人間の数は恐らく数千人規模だろう。

日曜日の射殺事件はまた、こうした事故は防ぐことができるという神話----それを信じている人間が今もいるとしてだが----を解体するものである。競争相手のディンコープやトリプル・キャノピー、ブラックウォーターなどのふらちなスキャンダルが山積して止まない中、ArmorGroupはほとんど否定的報道の的になってこなかった。

さらに、ArmorGroup社は、傭兵採用審査の厳格化と傭兵産業全体に対する外部規制の強化を強く提唱してきた。例えば2005年、ArmorGroup社の報道担当は次のように述べている:「我々は規制を求めている。どこの誰ともわからないやつがカラシニコフを手に入れて海外の民間軍事会社で働くことができるというのは・・・・・・異常なことだ。説明責任をめぐる問題だ」。

けれども、ArmorGroupがダニエル・フィッツシモンズ----深夜の酒の席で起きた小競り合いのあと同僚二人を射殺した----を雇ったとき、警戒すべき兆候が明らかだったにもかかわらず、それは考慮されなかった。

2007年、フィッツシモンズはイラクで活動する別の英国傭兵企業イージス社を「過度の怠慢」で首になり3000ドルの罰金を支払わされていた。仕事についてわずか数カ月後のことだった。同僚たちによると彼は以前から暴力的振舞いで知られており、「数年前から危険人物」だったという。

当然のことながら、フィッツシモンズはどうやら戦争体験によるトラウマも抱えていたらしい。FacebookとMySpaceのプロフィール欄で、彼は「自分の頭の中にある戦争」の困難、そして苦痛を和らげるために酒とドラッグを常用していたことを書いている。

「ローテーションから戻るたびに、私は肝臓と腎臓、そして脳細胞を厳しく鞭打って教訓を与えてやることにしている。そのために、あらゆる機会を使ってラリることにしている」と彼は書いていた。「現実はドラッグ不足が引き起こす状態だってことを心しておこう」。

しかしながらArmorGroupはどうやらこの赤信号を考慮しなかったらしい。恐らくこれは、そうした個人的問題は、傭兵の世界に入るならば当然予想されるいつもながらのことだからであろう。「暴力的振舞い」は憂慮すべき特性ではない。いずれにせよ軍事契約要員は暴力的になるようわざわざ訓練を受けるのだから。したがって、「戦争法」が兵士達による拷問や戦争犯罪を防止できないのと同様、社内審査や傭兵産業に対する政府の規制を、たとえ本気でやろうとしても、悲劇の再発を防ぐことはできないだろう。

エリック・ストーナーはニューヨーク在住のフリーランス・ジャーナリストで、Foreign Policy in Focusに寄稿している。The Guardian、Mother Jones、The Nationなどにも寄稿している。ブログはWaging Nonviolence(http://wagingnonviolence.org/)

投稿者:益岡


posted by 益岡 at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | イラク全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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