イラク女性に対する暴力は減っていない
IRIN
2008年12月1日
Electronic Iraq 原文
「世界が遠方から遠巻きに見ている中、イラク人女性の権利は生活のあらゆる側面で蝕まれている」。女性に対する暴力特別報告者のヤキン・エルトュルクは、女性に対する暴力撤廃国際デー(11月25日)に、こう警告を発した。
「引き続く紛争、極端に悪い治安、不処罰の蔓延、経済状況の崩壊、社会的保守主義の隆盛が、イラク女性の日々の生活に直接悪影響を与えており、家庭の内外であらゆる種類の暴力を被る恐れがますます高い状況に女性達が置かれるようになっている」とエルトゥルクは言う。
あまりに多くの場合見過ごされているが、「イラク人女性に暴力を加える加害者は、民兵グループ、ゲリラ、イスラム過激派、警官、家族のメンバー、コミュニティーなど、様々である」と特別報告者は言う。
女性達は、強姦や性目的の人身売買、早婚の強制、殺害、セクト的あるいは犯罪目的での誘拐などの犠牲となり、売春を強制されることになる場合も多い。イラク軍および多国籍軍(MNF−I)のメンバーが過剰な武力を行使する際にも女性達が犠牲になる。暴力のサイクルから逃れるために自殺する女性も多い。これは、社会への絶望をはっきりと伝えるメッセージである。
「家庭内での暴力の増加についても憂慮しています」とエルトュルクは言う。いわゆる「名誉の殺人」も増えているようで、ほとんどの場合、実行者は処罰されない。実行者が逮捕され訴えられるわずかなケースでは、イラク刑法のもとで甘い処分を受けるだけである。その結果、女性達と少女達は、家族から村八分にされたり殺されたりさえすることを恐れて、自分が性的攻撃の被害にあったと訴えるのをためらうことになる。
イラク北部のクルド人地域では、女性の不自然な死の中で、「名誉の殺人」が主な原因の一つとなっている。女性器の切除の例も、数多く報告されている。イラク・クルディスタンで活動する医師と女性の権利活動家によると、自己を生贄とするケースも増えており、毎日少なくとも一件が報告されているが、報告されないケースや事故として処理されるケースも多い。
女性差別撤廃条約(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)の締約国であるイラクは、政府関係者およびその他の行為者----それが家族であれ武装グループであれ----による暴力から女性を保護しなくてはならない。国連安保理はその1820号決議で、武力紛争に関与するあらゆる関係者は文民とりわけ女性と子どもに対するあらゆる性的暴力を止めなくてはならないと述べている。
ヤキン・エルトュルク女性に対する暴力特別報告者は、最後に、「イラク政府と国際社会に対し、女性達と少女達が暴力の「ソフト・ターゲット」になることを阻止し、イラクにおける紛争の目に見えない犠牲者となることを阻止するよう求める」と述べている。
投稿者:益岡





