メディア・ベンジャミン&チャールズ・デービス
ZNet原文
2011年3月24日
2011年3月19日で、米国がイラク----大量破壊兵器も持たず、2001年9月11日のニューヨーク攻撃にも関与していなかった国----を侵略してから8周年を迎えた。
アメリカの人々は、この侵略について、祖国を防衛し、イラクの人々を解放するための戦いだと聞かされた。
米国国防副長官ポール・ウォルフォウィッツは、米兵は解放者として歓迎されるだろうし、イラクの石油収入で再建費用はまかなえるだろうと述べていた。
ディック・チェイニー副大統領は、軍事作戦は「数ヶ月ではなく数週間で」終わるだろうと述べていた。ケン・エーデルマン国防次官は、「イラク解放は容易な仕事だ」と述べていた。
それから8年、「容易な仕事」を振り返るときである。
イラク社会を毒で汚染する
米軍は、イラク全土に劣化ウランを使った爆弾を投下した。劣化ウランは核燃料製造過程でできる放射性廃棄物である。
比重が高く、着弾すると発火する性質から軍事目的では重宝されている劣化ウラン弾は、投下されてからのち何年にもわたって犠牲者を出しつづける。
イラクで最もひどい爆撃を受けたファルージャでは、英国の研究者が、幼児死亡率と発がん率の大幅な増加が見られることを明かにしている。インディペンデント紙によると、発がん率の増加は「広島と長崎に投下された原子爆弾の生存者について報じられている」発がん率を上回っているという。
がんの大幅な増加に直面しているのはファルージャだけではない。アルジャジーラの報道では、イラク中部の県バビルでも、分かっている限りで2004年に500件だったがんの件数が2008年には7000件に増えている。
また、昨年、American Journal of Public Healthで発表された研究によれば、バスラでは、この15年間に、子どもの白血病が2倍以上に増えている。