2005年12月31日

イラクのIMFローン

イラクに対するIMFの貸し付けをめぐって。

イラクのIMFローン
ジョシュア・フランク
2005年12月28日
CounterPunch 原文

国際通貨基金(IMF)は、2005年12月24日、イラクに対する6億8500万ドルの貸し付けを承認した。それにより、戦争で荒廃したイラクの経済は、世界経済に全面的に編入されるそれも無期限に。イラク再建は、まもなく、今まで以上に、産業諸国とその利益に向けて開かれることになるだろう。

イラクが近い将来に主権を回復したり独立することは、ブッシュ大統領の言葉に反して、ないだろう。そのかわりに、イラク財政の未来は、新たなる巨大な経済的占領にさらされ、それを完遂するために、地上部隊兵士、戦車、外国軍の基地などなどが用いられるだろう。これらはすべて、米国と英国そしてIMFのおかげである。

この新たな貸し付けは、まもなく、イラクにおける今後の「経済的安定」の焦点となることだろう。もちろん、この占領と、IMFの慈悲深い援助の根底にあるのは、戦争の災厄を利用しようと言う欲望である。まちがいなくこれこそが、ブッシュ政権とそのお仲間たちが、これまでずっと望んできたことなのだ。

「この取り決めは、イラクの経済的安定を支え、オープンで反映する経済の基盤をしく一助となるだろう」と財務長官ジョン・スノーは、貸し付けが承認された直後の発表で述べている。翻訳すると:イラクはまもなくビジネスに開放される。

イラクがますます増える債務をどうやって返済するのがもっとも良いかについてIMFが指図できるようになったので、イラク復興を他人の手に手渡し、米国は利益を刈り取ることができるだろう。そのために毎年何百万バレルもの石油増産をせよと言われるならば、イラクはそうすることを強制される。実際、石油増産は、IMFの対イラク計画の中心にある。

先週公表した声明の中で、IMFは、イラクの新政府は、IMFが推進する包括的な経済計画に従って、石油生産を拡大するために、来年、予算を割り当てており、イラク経済が上向きになることが期待されると述べている。言い換えると、イラクはより多くの石油採掘開始を強制される。

そしてもちろん、IMFと裕福な投資家たちによって民主主義が真に実現されることは決してないし、それは望まれてもいないイラクは、帝国主義の目標と資本家のどん欲の新たな草刈り場となるだろう。独立についてはそれでおしまい。というのも、産業世界に土足で踏まれた国は真に自由にも民主的にもならないから。市場は、自己利益があれば、いつでも民主主義を踏みにじる。そしてイラク市民は、IMFの貸し付けパッケージ向こう15カ月のうちに分配されるのもとで、現実に利益を得ることはなさそうである。

イラクがグローバリズムのがつがつした欲望を近い将来振りはらうことができるなどと決して信じてはいけない米軍兵士が配置転換されたとしてもである。資本主義の触手は今やバビロンに完全にまとわりついているまるでこれまではそうでなかったかのようにし、まもなく石油が流れ出すだろう。米軍兵士が配置展開されたとしても、あるいは、断じてないだろうが、帰還したとしても、イラク占領は続くだろう。

ジョシュア・フランクは、Common Courage Pressから出たばかりの最新刊「Left Out!: How Liberals Helped Reelect George W. Bush」の著者。割引価格でwww.brickburner.orgに注文できる。ジョシュアのメルアドは、Josyua(atmark here)brickburner.org。

投稿者:益岡
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2005年12月25日

アンバル州で家を追われた人への支援が必要

アンバル州で家を追われたままにいる人々について、IRINの報告。

アンバル州で家を追われた人への支援が必要
IRIN
2005年12月21日
Electronic Iraq 原文

バグダード発火曜日(12月20日)、イラクの首都バグダードで、約400人の人々がデモ行進を行い、西部アンバル州で米軍とゲリラの衝突が続く中で家を追われた人々へのさらなる援助を呼びかけた。

今首都の親戚の家に暮らしているアンバル州の住民をはじめとする人々が、路上に出て、政府と国際援助組織に、決定的に重要な品目が不足している家族を援助するよう呼びかけるスローガンを叫んだ。

家を追われた人々の多くが、十分な食料も避難所もないまま、ラマディとアルカーイムの近くにある、その場しのぎのキャンプや使われていない建物で暮らしていると彼等は言う。

「彼等彼女等は人間だ。動物ではない。頭上には屋根が必要だし、食べ物と保健医療が必要だ」とデモに参加したイブラヒム・ラビアーは言う。

「誰が国を運営するか話すかわりに、政府は目を開いて、アンバル州で家を失った家族の悪化する状況を見つめるべきだ」と彼は続けた。

イラク赤新月社(IRCS)によると、戦争で荒れ果てたアンバル州の300家族以上が家を追われたままであり、再び暴力が再燃するかも知れないことを恐れて町に戻れないでいる。

「我々は、資源が乏しい中、これらの家族を助けようと懸命になっている。彼等が家を追放されたままならば、状況は悪化する一方だろう」とバグダードのIRCS報道官フェルドゥス・アル=アバディは言う。

米軍は、「治安作戦」数ヶ月前に始められた、しばしば空襲を伴う作戦は、ゲリラを炙り出し、地域を安全にするために必要だと語っている。

ラマディの住人で、首都の両親の家に避難しているラビアーは、アンバル州の多くの子供が医療を受けられないため苦しんでいると語る。彼はまた、今後何週間もにわたり、厳しい冬の気候に家族が晒されることになるとも述べた。

政府はこの抗議に対応していないが、これまで何もしてこなかったことについては、資源と人員不足のためといいわけをしている。

www.IRINnews.orgに含まれる記事は国連の人道情報局IRINにより提供されているが、必ずしも国連やその組織の見解を反映しているわけではない。IRINの情報はすべて無料で参照・報道できる。利用条件については、IRIN著作権ページを参照のこと。IRINは国連人道問題調整局のプロジェクトである。この記事は必ずしも国連やその組織の見解を反映しているものではない。著作権:IRIN2005。

投稿者:益岡
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2005年12月20日

ブッシュ大統領の演説について:CPTのコメント

イラクとヨルダンにいるクリスチャン平和構築チームがブッシュ米大統領の演説にコメントする。

ブッシュ大統領の演説について:CPTのコメント
2005年12月19日
クリスチャン平和構築チーム
Electronic Iraq 原文

イラクとヨルダンで活動を続けるクリスチャン平和構築チーム(CPT)のメンバーたちが、イラク戦争についてのブッシュ米大統領の演説に月曜日、コメントした。バグダードにあるチームのアパートに電話でつながったとき、マキシン・ナッシュは、イラクの一般の人々が依存しているさまざまなサービスに戦争が与えた影響について語った:「ブッシュ大統領の演説を見ようとしたのだけど、見れなかった電力が来てなかったから」と彼女は述べた。

基本的な市民生活のためのインフラを復興できず、米軍の収容所に何千人ものイラク人を拘束し、何万人もの民間人死者と負傷者を生み出した、米国と連合軍によるこの戦争について、CPTは、イラクに平和をもたらすことも民主主義をもたらすこともできなかったと判断している。けれども、ブッシュ大統領は、演説の中で、自らテロリズムと呼ぶものを打倒し、民主主義に道を開く方法は「攻撃」を続けることだと言い張った。

これに対し、イラクの専従チームメンバーであるペギー・ギッシュ(63歳)は、アンマンで、次のように語った。「戦争の痛みに苦しんだイラク人の話を3年間聞いてきた経験から、米軍とイラク軍が「攻撃」を続けるというのは、大量逮捕や家宅侵入捜査、民間人の爆撃が続き、不法拘留と拷問と虐待が続くことを意味する」。

シェイラ・プロヴェンチャー(33歳)は、3週間前にバグダードを去ってアンマンに来たばかりだが、次のように付け加えた。「ブッシュが引用した、生活はうまく行っているという10人のうち7人のイラク人というのがいったいどこにいるのだろうか? 彼が引用した世論調査というのは、最近目にした別の世論調査と同じようなものなのじゃないかと思う。その世論調査では、治安の心配からアンバル州全体を無視していた」。

「ブッシュ大統領が、自分の議論をほとんど全面的に、大統領自身が「いつでもできるならばアメリカを攻撃する」「世界的テロリスト運動」と呼んでいるものの枠組みに位置づけていたことに気づかされた」とプロヴェンチャーは続ける。「皮肉なことに、彼は、米国人を攻撃したいという欲求が「アルカーイダをイラクに引きつけた」ことを認めた」。

「けれども」と彼女はさらに続ける。「彼は、民族主義的なイラク人ゲリラが何千人もいて、自分の国に対する米国の占領を終わらせるために、自爆攻撃や民間人への攻撃を用いない武力を使おうとしていることには気づいていないようだ。民族主義的なゲリラの真の性質と不満の原因つまり彼等は自国の自由のために闘っているということだに気づかないならば、ブッシュは、米軍の駐留それ自体が暴力を悪化させていることを決して理解しないだろう」。

CPTはイラクで3年以上活動してきた。米軍の侵略以降は、イラク人被拘留者とその家族の苦しみ、米軍とイラク軍の民間人地区に対する攻撃の影響、イラク人平和人権グループの発達に焦点を当ててきた。

さらに攻撃を行うかわりにそれは暴力と混乱を増大させるだけだ、普通のイラク人とともにイラクに暮らすCPTは、米軍兵士全員を、都市部を皮切りに、即時撤退し、米軍の爆撃を停止し、基本的インフラを再建するためにイラク人に十分な資金を提供する意図があると発表すべきだと勧告している。

さらに、CPTは、米軍の収容所における不法拘留と拷問とを終わらせ、捕虜に対する公正で迅速な司法プロセスを適用すべきと呼びかけている。さらに、外交的手段を通して、イラク政府に圧力をかけ、イラクの収容所に拘留されている捕虜にも同様の対策をとるべきであるとしている。

クリスチャン平和構築チームは全教会が参加する暴力削減プログラムで、歴史的な平和教会を起源とする。訓練を受けたチームのワーカが世界中の紛争地域に住んでいる。CPTは2002年10月以来イラクにいる。CPTについてのさらなる情報はhttp://www.cpt.orgを参照。CPTプロジェクトの写真はhttp://www.cpt.org/gallery

投稿者:益岡
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2005年12月17日

イラク人医師講演会(2006年1月4日)

2006年1月4日、東京渋谷で開催される、イラク人医師による講演会のご案内。

今、イラクでは・・・〜イラク人医師モハメッドさんを囲んで

アジア女性資料センターでは、2005年夏にヨルダンスタディツアーを行い、ヨルダンに住むイラク人医師モハメッドさんに会いました。モハメッドさんがこの冬来日される機会に、年明けすぐですがお話を聞く機会を持てることになりました。清末さんによる解説つきです。

是非ご参加ください。

1991年の湾岸戦争以来、イラクに対する経済制裁が続いてきました。これによって医療設備などへ投資ができず、今回のアメリカによるイラク攻撃では充分な医療サービスを受けることができずにいる負傷者がイラクには多くいると言います。テレビではイラク攻撃、自衛隊のサマワ駐屯のニュースが飛び交いますが、イラクの人々の日常生活が見えてきません。

ヨルダン・アンマン在住のイラク人医師モハメッドさんは、イラクで病院で臨床をしながら医療NGOで医者としてボランティア活動に関わってきましたが、現在ではアンマンで、戦火を逃れてアンマンに来るイラク人の患者の面倒をみています。お金がないので、アンマンで医療NGOを立ち上げたいと考えたりしています。

今回来日されるモハメッドさんを囲んで、イラクにおける医療事情について、また外国でイラク人であることが分かると「テロリスト」扱いをされる生活の困難さについてお話を聞きます。お正月が明けてすぐですが、貴重な機会です。是非お集まりください。

日時:2006年1月4日午後6時半〜8時半
場所:アジア女性資料センター211号室
(地図:http://www.ajwrc.org/modules/tinycontent3/index.php?id=8
スピーカー:モハメッド・ヌーリ・シャキールさん(医師)
解説・通訳:清末愛砂さん(アジア女性資料センター運営委員)
参加費:無料(モハメッドさんへのカンパ大歓迎)

お問合せ・お申し込みはアジア女性資料センターまで。
Email: ajwrc@ajwrc.org

投稿者:益岡


1月4日、いけだによる追記:
オリジナルの投稿日時は20051217 14:14:35ですが、当日にブログのトップに来るように投稿日時を修正しました。タイトルにも多少付け加えました。後で戻します。

追記:
講演会が終了したので,アゲておくために20060104 08:00:00としていた投稿時間を戻しました。
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2005年12月16日

家を追われた西部の人々の多くは家に戻ることを怖がっている

米軍の「軍事作戦」で追放された人々についてIRINの報道。

家を追われた西部の人々の多くは家に戻ることを怖がっている
2005年12月13日
IRIN
Electronic Iraq 原文

バグダード発今月上旬、イラク西部のラマディとアルカーイムで行った米軍主導のゲリラ活動に対する攻撃の際に家を追われた何百もの家族は、今も家を追われたままでいるとイラク赤新月社(IRCS)が報じた。

「地域でさらなる軍事作戦が起きると考えているため何百もの家族が家に帰るのを拒んでいることに私たちは驚いている」とアンバル州の州都ラマディでIRCSのボランティアをしているマルアン・カリフは言った。

12月2日、米軍は、首都バグダードの約110キロ西にあるラマディで攻撃を開始した。ゲリラたちが何事もなく道を歩いている姿がテレビに報道されたあとのことである。

それに続く暴力その際、米軍による空襲が何度も加えられたにより、何千人もの地元住民が逃げ出した。

ICRSが報ずるところによると、アンバル地区の700家族近くが、間に合わせの難民キャンプや遺棄された学校や政府の建物で暮らしているという。また、さらに数百家族が、親類や友人の家に避難した。

「こうした家族は、この冬、過酷な冬に苦しんでいる」とバグダード出身のフェルドス・アル=アバディIRCS報道官は言う。「私たちはこれらの人々に必需品を提供するために活動しているが、多くの問題が残っている」。

アル=アバディは、「砂漠地帯の中にある」キャンプに暮らしている難民たちの中に「社会的および健康上の問題がある」と述べる。

アンバル地区の医者たちもまた、下痢や肺の感染症が子供たちや老人の間で増加していると指摘する。

「地域の追放された子供たちの間で健康状態があきらかに悪化しているのを目にした。家に戻った子供たちの間でさえもそうだ」とアルカーイム第一の病院に勤めるワリード・ラビアア医師は言う。

首都から約420キロ西のアルカーイムでは、米軍兵士たちによる大規模な攻撃は11月に終わった。けれども、数百家族がしばらくの間、家に戻ることを拒んでいる。戻るかわりに、アルカーイムから約20キロ東のラワ近くにある即席キャンプあるいは地方の親戚のもとで暮らすことを選んでいる。

「アルカーイムには戻れません。というのも、子供たちには長生きして欲しいから」と、サレー・ラウィは言う。彼はアルカーイムの住人で3人の子供を持つ父親である。現在は、ラワ近くにあるIRCSのキャンプで子供たちの面倒を見ている。

「米軍が戻ってきて、さらに多くの家を破壊するだろう。子供たちにそれを見せたくはない」と彼は付け加えた。

IRCSの必需品備蓄が尽きつつある中、IRCSはほかの国際慈善組織に、家を追われた人々のこれら二つのグループに必需品を送るようアピールしている。

「いつどこで攻撃が行われるかわからない。だから、将来に向けて人々を助けるために必需品を備蓄しておかなくてはならない」とアル=アバディは言う。

イラク西部多くの人口を擁する、スンニ派が多数を占める地域で軍事作戦により家を追われた人々が、12月15日に予定されている議会選挙に参加できないのではないかとの憂慮を表明する人々もいる。

「我々に、よりよいイラクのために投票するよう彼等は呼びかけている」と、ラマディの戦闘を逃れてきたアメル・アブドゥルは言う。「けれども、我々が目にするものはといえば、この、民主主義であると想像されているはずの国で、我々の子供たちが苦しんでいることだけだ」。

この記事は国連のIRIN人道情報局の「アフリカ=英語」サービスに届けられたものだが、必ずしも国連の見解を反映しているわけではない。さらなる情報、無料の購読、キーワード変更については、電子メールIRIN@ocha.unon.orgあるいはウェブwww.irinnews.orgに連絡すること。この記事を再掲、複写、アーカイブ、再ポストする際には、このクレジットと注意書きを必ず保持しておくこと。商用サイトへの再掲載には書面でIRINの許可が必要である。

投稿者:益岡
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2005年12月13日

イラクにおける米国の戦略

『ファルージャ2004年4月』著者の一人ラフール・マハジャンによる、イラクにおける米国の戦略をめぐるコメント。

イラクにおける米国の戦略
2005年12月5日
ラフール・マハジャン
EmpireNotes原文

ブッシュの新たな「イラクで勝利するための国家戦略」は、実際のところ、むちゃくちゃなものの寄せ集めである。この戦争に関するブッシュの雄弁な戦略は、外国の地を訪れた時代遅れの合州国人観光客に似ている「トイレはどこ?」と聞いて、誰もわからなかったと見るや、大声でそれを繰り返す:「トイレだってば」。

ところで、リベラル派は嘲笑しているが、実際にイラクですでに一定の成功を収め、これからさらに成功しそうな米国の戦略が存在している。

ブッシュが繰り返し述べているにしても、それは依然として本当なのである:その戦略とは、米国が対ゲリラ戦を行わなくてよいように、代わりに対ゲリラ戦を行なってくれるイラク治安部隊を創設することである。当初、イラク治安部隊は戦おうとしなかった。2004年4月、最初のファルージャ攻撃のとき、この地域にいたイラク市民防衛隊兵士たちの8割は脱走した。

ジェームズ・ファローズは、今月の『アトランティック』誌に掲載された重要な記事の中で、よりよい訓練法によってその問題はおおむね解決し、さらにそれらの方法は新たな兵士の群を安定して作り上げているというデーヴィッド・ペトラウス中将の言葉を引用している。

一方、民主党の政治家たちは、そのイラク人部隊に「訓練が不足している」として嘲笑し続けている。

実際、事情に通じているとされるペトラウスも、悲しいまでに事情をしらない民主党員たちも、本当のポイントを逃している。ポイントは訓練ではなく意志である。最初のうち、ほかのイラク人と戦う理由を持つイラク人を見つけることが問題だった中には金のために参加する者もいたが、戦いたがりはしなかった。

2004年4月、スンニ派もシーア派も含め、広い範囲で、イラクのアラブ人は、ファルージャ攻撃は集団的懲罰という不道徳な行為であると非難し、とりわけ女性や子供をはじめとする非戦闘員を頻繁に撃っていることについて激しく非難した。人々はファルージャのレジスタンスを正当で、実際、英雄的なものと見なしていた。そのために、イラク治安部隊兵士の多くは戦いたがらなかった。戦った者もいたが、私がこの目で目撃したように、逆の側に立って戦っていた。

今や、ペトラウスが言うように、給与が欲しいだけでなく戦いたがっている人々がとぎれなく続いている。セクトの分断が着々と広まっているのがその理由である。2004年の早いうちでさえ分断は存在していたが、その当時は、イラク人ゲリラは占領に対するレジスタンスと見られていた。シーア派の多くは特にそれに共感していたわけではないが、正当なものとは見なしていた。それからまもなくして、ゲリラは繰り返しアブ・ムサブ・アル=ザルカウィの顔と結びつけられたレッテルを張られることになった。それは、一つには、とりわけ恐ろしい出来事断首のビデオや民間人への大量爆撃をメディアが強迫的に報道したためであり、また一つには、思うに、おおむね非政治的だったスンニ派ゲリラにザルカウィの過激なセクト主義の影響が強まったためである。

その暴力が十分長いこと続いたあと、シーア派の人々は2005年始めに反撃を始めた。その結果、セクト的暴力それまでは政治的であっても個人的ではなかったが個人的様相を帯び始めた。同時に、イラク政府と結びついた民兵たちが、しばしば米国から訓練と助言を受けつつ、主としてセクトを基準に、「死の部隊」式殺人を行い始めた。

その結果、スンニ派ゲリラと戦いたいという理由で軍に参加するシーア派が今ではたくさんいる。現在姿を現しつつある米国の戦略は、セクト主義に依存しているだけでなく、セクト的ダイナミズムをさらに推し進める:シーア派兵士がスンニ派のアル=アンバル州をパトロールし作戦を実行し、クルド人民兵ペシュメルガが(新たな制服を着て)トルクメン人が多数を占めるタルアファルで作戦を実行する。

これは、以前の戦略と比べて、イラクにとって遙かに危険であるイラク人が米軍兵士さらには米国人を憎むとして、その憎悪の焦点は占領を終わらせることで取り去ることができる。イラク人がお互いを根深い個人的なレベルで憎むようし向けられるならば、解決を見込むことはできない。分割さえも答えにはならないだろう。多民族のバグダードは、1990年代における多民族のボスニアと同じ位置に置かれるだろう。

米国政府と軍にはこの戦略をすっかり白状する意図はない。彼等は、少数のスンニ派アラブ人が軍に参加し、バグダードで自らの同盟者SCIRI[イラク・イスラム革命最高評議会]がやっている拷問所を侵入捜査しさえしたことを、大きく吹聴している。一つには、この事実上の戦略がイラクにおけるイランの影響米国が最も望まないことを強めているためである。

しかしながら、認めようと認めまいと、事態はこのように進んでいる。このダイナミズムを阻止するわずかな唯一のチャンスは、どのセクト集団も圧倒的な軍事的優位を保つことがないように米国が撤退し、すべてのグループが相互の交渉で事態を解決する誘因を持つことである。

投稿者:益岡
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2005年12月11日

拘束されたCPTメンバーをめぐる声明

拘束されたクリスチャン平和構築チーム(CPT)のメンバー解放を求める「平和な明日を求める9月11日の家族たち」の声明。

拘束されたCPTメンバーをめぐる声明
2005年12月9日
平和な明日を求める9月11日の家族たち
Electronic Iraq 原文

「平和な明日を求める9月11日の家族たち」は2001年9月11日の野蛮な攻撃で殺された人々の家族を代表する組織です。身近な人を失った経験から、私たちは、暴力の循環を止め、民間人を標的にして殺すことをやめるよう呼びかけています。私たちは、9月11日のテロリズムが戦争というテロリズムにつながることを知り、そうした暴力行為が、あらゆる国のふつうの人々が連帯をもって集まり、共通の運命を認識して暴力的紛争を終わらせることを要求するまで拡大し続けると考えています。クリスチャン平和構築チームのメンバーは、このような人々の運動の一環です。私たちは、メンバーを拘束した人々に、道徳的な道を選ぶよう、暴力の循環を断ち切るようお願いします。人を思いやる行為により世界の経緯を集めることができ、それにより、あらゆるところで普通の人々による、すべての人にとってより安全でより平和的な明日を作り出そうという努力を支えることにもなるでしょう。

平和な明日を求める9月11日の家族たち
http://www.peacefultomorrows.org

http://0000000000.net/pnavi/info/info/200512070345.htmに、拘束されたCPTメンバーの解放を求める誓願署名ページの説明と署名ページへのリンクがあります。

投稿者:益岡
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2005年12月09日

JVC報告会「どうなるアフガン・イラクの復興」

日本国際ボランティアセンターのアフガン・イラク復興をめぐる報告会のご案内です。

◇◇◇日本国際ボランティアセンター(JVC)報告会◇◇◇
   『どうなる アフガン・イラクの復興』

米国主導の「対テロ戦争」の中で軍事攻撃が加えられたアフガニスタンとイラク。その後、両国は議会選挙を進めるなどして戦後の「民主化」のプロセスを歩んでいるとされています。しかしその一方で治安状況が悪化し、一般市民の犠牲者は増え続けています。また、人道援助関係者の中にも犠牲者が出ています。果たしてこのような状況の中でアフガニスタンとイラクの「復興」はあり得るのでしょうか。そして私たちは「復興」にどのように関わるべきなのでしょうか。アフガニスタンとイラクで活動を継続するJVCのスタッフが両国の人道状況、NGOが直面する問題をご報告し、国際支援のあり方、課題について皆様とともに考えたいと思います。
 
【日時】2005年12月14日(水) 
    19:00〜21:00 (開場18:45〜)                         

【報告者】谷山 博史  JVCアフガニスタン事務所代表
     原 文次郎  JVCイラク事業 現地調整員

【司 会】枝木 美香  アーユス仏教国際協力ネットワーク

【場 所】 なかのZERO(西館) 学習室4 
      東京都中野区中野2−9−7  TEL:0353405000
JR中央線/総武線または東京メトロ東西線中野駅南口より徒歩8分 

【参加費】500円  ※JVC会員は無料

【主 催】(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)
【協 力】(特活)アーユス仏教国際協力ネットワーク

【お問合せ・申し込み】 
TEL:0338342388  FAX:0338350519
Email.hasebe@ngojvc.net (担当:長谷部)
お名前・電話番号・人数をご連絡ください。
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2005年12月06日

隠された空中戦

駐留兵士を減らす画策を進める一方で、米国政府は、空からのイラク攻撃を強化しようとしている。

隠された空中戦
2005年12月5日
ノーマン・ソロモン
CounterPunch原文

米軍はイラクで空からの戦争を仕掛けている。「ここ数ヶ月、米軍の爆撃が増加したようだ」とシーモア・ハーシュは12月5日付『ニューヨーカー』誌で語っている。「標的の大部分は、敵対している、スンニ派が多数を占める地域で、バグダード周辺とシリアとの国境地帯である」。

ハーシュは続けて、「今のところ、米国議会も米国市民も、この空襲について議論も論争もしていない」と語る。

大きな理由は次のようなものである。主な米国のニュース機関は、ペンタゴンの空襲の規模をごまかしている。イラク駐留米軍兵士の規模を縮小するにともなって空襲を強化することが極めてありそうなことを考えると、このごまかしは言語道断なものである。

そんなわけで、レキシスネキシスのメディアデータベースでは、米軍がイラクで現在行っている攻撃に関わって、今年ニューヨーク・タイムズ紙に何回「エア・ウォー」という句が現れただろうか?

12月上旬の段階で、答えはゼロである。

2005年、ワシントン・ポスト紙に現れた「エア・ウォー」という言葉は?

答えはゼロ。

米国で最大の発行部数を誇る『タイム』誌では、今年、「エア・ウォー」は何回?

ゼロ。

この徹底したメディアによる黙殺を変えなくてはならない。とりわけ、ワシントンでイラク駐留米軍の一部を撤退させるという議論が進んでいることにより、米軍がイラクで今度は空からの殺人を強化する準備がなされることになるのだから。

この数週間、米国ではイラク戦争の政策をめぐる論争に劇的な変化があった。キャピトルヒルと主要なニュース機関では、米軍兵士を速やかに撤退させるという選択肢これまでは党の主要人物にとってもメディアの識者にとっても想像できないものとみなされていたが主流はメディアのまじめな議論の一部になったのである。

少なくとも暗黙のレベルでは、ニュース報道は、地上にいる兵士数を米国のイラクにおける戦争の規模の指標と見なしてきた。その結果、一般の議論は誤って米軍兵士の規模を縮小することは、ペンタゴンの大虐殺への関与を減らすものだと考えてしまうことになった。

実際には、マス・メディアの言説の下で、来年秋に控えた米国議会選の前に、米軍司令部は、米占領軍の駐留兵士数を減らす一方でイラク爆撃を強化するだろうということが強く示されている。ホワイトハウスがイラクから米軍の関与を減らし続けていることを示したがっている中、2006年に兵士がちょっとでも撤退するならば、メディアは大々的にそれを喧伝するだろうことが予測される。

「イラク内での米軍の空襲は、対ゲリラ戦の中で恐らくもっとも重大なそしてほとんど報じられていないものである」とハーシュの『ニューヨーカー』記事は書いている。ペンタゴン一方的に教え込む情報に依存する米国のメディアの中では、米軍が行っている爆撃の規模がどれだけのものかは謎のままである。「バグダードとワシントンの軍当局は、ベトナム戦争で日常的に行っていた、空軍と海軍、海兵隊の部隊の出撃規模と投下する爆弾の量について日々の報告を行っていない」。

ホワイトハウスのメディア物語の紡ぎ手は、イラクでの空中戦が米国メディアのレーダーには引っかからないことをはっきり知っているこの無関心は、米軍の兵士規模を減らす一方で空襲を増加させるシナリオを予言しているものである。ハーシュの報道は、それは近い将来起きることを示唆している:「大統領の公式発言の中では述べられていない、縮小計画の中心要素は、撤退する米軍のかわりに米国の空軍力が投下されるという点である。米軍戦闘機による速やかで殺人的な攻撃は、最も弱いイラク戦闘部隊の戦闘能力をさえ劇的に強化するための方法だと見なされている」。

米国の主流派メディア組織は、直感に反すると同時にあり得そうな可能性をまだ認めていない:イラクに駐留している米軍兵士が少ないほど、いっそう多くのイラク人を殺すことになる可能性があるという点である。「米軍兵士の数を減らすと同時に空中戦を激化させて手先のイラク軍を創設することは、一部の者が指摘するように、殺されるイラク人の数をさらに増やす可能性が高い」とアメリカン・フレンズ・サービス・コミッティーのジョセフ・ジェルソンは語る。「これは、戦争を続けることが米国市民により受け入れやすい要に死体の色を変える効果を持つことになるだろう」。

このように政治的な戦略には大きな前例がある。1969年、リチャード・ニクソン大統領は「ベトナム化」政策の開始を発表した。これは、ベトナムに駐留する米軍兵士の数を3年で50万人以上削減するものである。けれども、その期間に、ベトナムに投下された米国の爆弾の量は実際に増加したのである。

似たような出来事が来年、2009年から上院・下院をどちらの党が支配するかを決める11月の選挙の前に起きる可能性は高い。イラクにおける軍事的敗北を避けたいという欲望と人気のない戦争の中で国内で共和党任期を高める必要性との間で、ブッシュ大統領が、イラクで空襲をエスカレートさせ続ける一方で駐留米軍の規模を削減する可能性は高い。そして彼は、空襲がイラクの人々に引き起こすおぞましい帰結を米国のニュース・メディアが見逃し続けるだろうと期待する十分な理由をもっているのである。

ノーマン・ソロモンは、「War Made Easy: How Presidents and Pundits Keep Spinning Us to Death」の著者。


投稿者:益岡
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2005年12月02日

make art, not war――バグダードには40から50軒の有名なギャラリーがある。(続き)

前の記事からの続き・・・

【イラク人画家、ハニ・デラ・アリさんの講演会、2005年11月23日、川越】

Mr Hani AlDalla Ali

――「イラクには2つの面がある。老人としてのイラクと子どもとしてのイラク。老人というのは歴史があるということ、子どもというのは将来があるということ。」
(相澤さんのお話のなかで、「イラクの2400万の人口のおよそ半数が18歳以下、イラクは“こどもの国”。一方で多くの人が死に、それはまさに生と死のコントラストだ」という部分があったのと、頭の中でリンクした。)

――「子どもたちに戦争の音を忘れてもらわなければならない。血の色を、忘れてもらわなければならない。」

――「世界というものは1つの身体だ。1箇所が痛めばほかの所も痛む。」
(ハニさんの絵はこれだ、と思った。)

――「戦争はアイデンティティを奪った。」
(このことについては、戦後日本しか知らない私は、イラクの人とメールで話していても、どうもうまく話ができない。Salam PaxやRaed Jarrarが書いている"in the middle"さ加減――自分のルーツがわからなくなって、宙ぶらりんな感覚というのは、すっかり西洋化された生活様式の中で、音楽といえばお琴や三味線ではなくピアノ、というふうに大きくなってきた私はとてもよく共感できたのだが(“外”に出れば「日本人」として否応なく扱われるからね、どうしても)、「アイデンティティ」となると……三島由紀夫とか?)

――「わたしの作品は、年を、古代を表そうとしたものだ。」

――「絵画はアイデンティティを取り戻す手段であり、抵抗の手段だ。」


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